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「質の高い投資先」探しにハマる人ほど勝てない…FIRE投資家が語る“量”の現実

「質の高い投資先」探しにハマる人ほど勝てない…FIRE投資家が語る“量”の現実

◆「質」はトレードされている

そもそもですが、「“質”つまり“価値”はトレードされている」という事実を忘れてはいけません。消費者が高い質を求めれば、その裏には高い質を提供する人が必要になります。価値は売る人から、買う人に移転しているだけに過ぎません。つまり消費者が割安なものを購入すれば、販売者は割安なものを売却しているにすぎず、結果、消費者が笑えば販売者は泣く形になります。質の売買では、どうしてもトレードオフな関係となってしまうことが多いことに、目をつむってしまってはいけないと思っています。

そこで、私が重要だと考えているのは「質を追いかけるのではなく、量を追いかける」こと。これこそが相手と「勝負しない」ための鉄則だと思っているのです。

投資は「利回り(質)×元本(量)」でその収益が決まります。「相場より高い利回り」ということは、誰かがその「相場より高い利回り」分の対価を支払っているのです。ですから、高い利回りを求めると、その対価を支払う誰かとの、情報量の差や運などの要素に左右される勝負に巻き込まれることに繋がるのです。

この勝負に巻き込まれないためには、元本という「量」に着目し、投下する資金を増やすこと。それによって他者との勝負をせずに資産を増やすことができます。投下する元本の量を増やすのは至極地道な道のりで派手さはありません。しかし誰にでもできることです。だからこそ、忘れがちでおざなりになっている方が多いのです。

◆50万円を稼ぎ出すにはどちらが楽?

以前、友人からこんな相談を受けました。「500万の資金が貯まった。50万円ぐらいなら失っても大丈夫なので、50万円で取り組めるよい投資商品があったら挑戦したい。できれば倍の100万円にしたい」と言います。友人は「投資の基本」を思いっきり間違えています。

まず資金を失う覚悟でやるのは博打です。投資は博打ではありません。次に50万円を倍の100万円にするには非常に高い利回りで運用しなければなりません。5年で2倍にするとしても年利14.2%とかなり高い運用能力が必要です。一方で、手元にある500万円を550万円にするのは、比較するとだいぶ楽です。5年で達成するには年利2%あればいい。債券でも購入しておけばほぼノーリスクで達成できるでしょう。

単純に「50万円を投資で稼ぎたい」と考えるならば、500万円を使った方が遥かにリターンを得るのは容易です。しかし友人はなぜか自ら「量」を捨てる「縛りプレイ」をしてしまったのです。これでは投資にはなりません。

多くの方は「投資元本が数十万円から1億円まで増やした!」というストーリーを好みます。物語としては夢があるからかもしれませんし、「自分でも手が届くかも」という期待が持てるからかもしれません。しかし、現実では投資において「量」を投下するという観点は絶対に外してはいけません。一回で元本は投下しなくても良いのです。稼いだお金を投資に再投下する。これを繰り返していけば投下する資金は増えていきます。そのためにも、キャッシュフローをプラスにして、浮いたお金をさらに再投資。これを繰り返して「量」を確保していくことが投資では大事なのです。<構成/まてい社>

【村野博基】
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)、『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)
配信元: 日刊SPA!

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