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【福島県楢葉町・職場見学】介護に携わる人が働きやすい環境づくりに取り組む「特別養護老人ホーム リリー園」

【福島県楢葉町・職場見学】介護に携わる人が働きやすい環境づくりに取り組む「特別養護老人ホーム リリー園」

2004年に楢葉町に開設された特別養護老人ホーム リリー園(以下、リリー園)は、太平洋が一望できる天神岬公園にほど近い場所にあります。介護ロボットの導入や多様な人材の登用で働きやすさを実現する施設です。施設長の山内日出夫(やまうち ひでお)さんと主任介護職員の伊藤研太郎(いとう けんたろう)さんに園内を案内してもらいながら、職員の働く環境についてお話を聞きました。

ゆとりある空間とさまざまな工夫が現場を支える

施設長の山内さん(右)と主任介護職員の伊藤さん(左)

リリー園は施設内が4つの区画(フロア)に分かれています。各フロアには、個室から4人部屋までニーズに合わせて選べる居室のほか、食事や談笑を楽しめるデイルーム、光あふれるサンルームが備えられています。さらに浴室や交流スペース、職員の事務所、駐車場にいたるまで、各スペースがゆとりある設計で配置されています。民間の介護事業所や病院で勤務してきた伊藤さんは、その充実の広さを実感しています。

「利用される方の動きやすさや、面会に来られたご家族の過ごしやすさに配慮されています。広い分、職員の運動量も多く、私は1日の勤務で1万5,000歩ぐらい歩いています」

園内に2箇所ある広々としたウッドデッキの中庭

介護職員の勤務時間は、早番(7:00〜16:00)、日勤(9:00〜18:00)、夜勤(17:00〜翌9:00)の3交代制。毎月の勤務表作りは主任である伊藤さんの仕事です。

「各職員の希望を踏まえながら、各時間帯になるべく均等にシフトに入ってもらうよう調整しています。夜勤は平均月6回、希望によって月7〜8回という職員もいます」

リリー園では、職員の負担軽減や利用者の自立支援のための取り組みを積極的に行っています。その一つが介護ロボットの導入です。就寝中の体動を検出するロボットは、看取りの際にも役立っているそう。「心拍の低下を検知できるため、ご家族の最期の時間のために準備を整えることが、導入前よりもできていると感じています」と伊藤さんは話します。

また、2019年4月から始まった特定技能制度※を利用し、外国人材を積極的に受け入れています。現在30人ほどいる介護職員のうち10人ほどが特定技能の在留資格を持つ外国人です。

※国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度。

「外国の皆さんの協力を得ないと、この地域はなかなか人材が集まりません。当園では制度開始当初から受け入れを進めてきました。1つの職場で10人の外国人職員がいるのは多いほうではないでしょうか。出身国はネパールで、国際色豊かな職場です」(山内さん)

外国人材の受け入れにあたっては、運転免許を持っていない場合がほとんどであるため、住まい探しに悩むのだそう。リリー園では自転車で5分ほどの場所にある町の雇用促進住宅を紹介し、比較的安い賃料で職住近接の環境を整えています。

介護の現場では専門用語が多く飛び交うこともあり、言葉や文化の違いを感じる場面は多いそう。スマートフォンの外国語翻訳機能を利用したり、資料に読み仮名を振ったりと、ともに働く環境づくりに日々試行錯誤を重ねています。同時に外国人職員も日本語の習得に励んでおり、一歩ずつ意思疎通を深めているそうです。

特定技能制度で働く外国人職員サラダさん。利用者への声掛けや接し方はとてもていねいで安心感がある

リリー園では、利用者の方と地域との交流にも力を入れています。新型コロナウイルスの感染拡大を機に一時中断していましたが、2024年度から再開。楢葉町で音楽活動をする人やこども園の園児を招いた交流会などを行っています。

「このような交流は利用者の方と地域の方の両方にとってよい機会になっています。ショートステイの利用者の方のなかには、以前ここに慰問に来たことがあると懐かしそうに語る人も。今後も地域との連携をさらに深めていきたいです」と山内さんは話します。

現場目線から見える、働きやすさの理由

山内さんは職員に、休業や休暇を積極的に取るよう勧めています。

「子どもの通院のために有休を取得したいと相談があった際には、利用できる制度を案内しています。特定技能制度で働く外国人職員が育休を取得し、その後復帰した実績もあります」(山内さん)

山内さんは楢葉町役場からの派遣職員。「職員がしっかり休みを確保できるよう取り組んでいきたい」と話す

伊藤さんは、休みを取りやすい環境が離職の少なさや働きやすさにつながっているのではないかと話します。

「ここで働き始めた10年ほど前、勤務表に『有休』と入っているのを見て、本人が申請して取得できることに驚きました。有休は通常、入社して6か月経過後に付与されますが、ここでは入社後6か月未満で使える独自の有休があります。私も入社3か月で体調を崩した時に利用しました」(伊藤さん)

伊藤さんは介護職員として現場に入りながら、勤務表作成や業務割当、休みの職員の連絡窓口・調整といった主任業務を行っている

職員が新型コロナウイルスに感染した場合は、5類に移行した現在も特別休暇として対応しています。発症後の外出自粛期間中に有休を消化せずに済むため、無理して出勤しようとしてしまう状況の防止にもつながっていると伊藤さんは話します。

配信元: Nativ.media

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