◆会社員が副業で未成年売春をあっせん

そう話すのは、歌舞伎町で少女たちの保護活動を行うNPO法人「ぱっぷす」代表の金尻カズナ氏だ。
「虐待やネグレクトを理由に家出をし、居場所がない貧困少女が最も支配しやすい。それを知っている男性が、歌舞伎町に集い、たむろしている少女に声をかけて家に住まわせたり、意に反して歌舞伎町で性売買をさせたりする例が少なくありません。最近は道端で声をかけるだけでなく、SNS経由で売春を強要されたという事例も後を絶ちません。SNSの投稿からお金に困っているような少女を見つけ、『裸の写真を送ってくれたらお金をあげる』とメッセージを送る。写真を受け取ったあと、『これを親や友達にバラまかれたくなければ客と待ち合わせしてホテルへ行け』と指示し、管理売春を強要するんです」
◆性売買をさせる男たちの素顔

「未成年者の管理売春を行う加害者の多くが、実はベンチャービジネスをやっているような若い男性。副業感覚で未成年者の性売買に手を染めているケースが意外に多いんです。ただ、彼らも借金を抱えて生活がままならなくなっていることもあり、貧困の連鎖の一端を感じます」
少女たちを騙す男のなかにはそういった会社員だけでなく、ホストも多い。
「女性からお金を巻き上げているように見える彼らも、ホストクラブ側からひどい搾取を受けているケースがあります。ホストクラブが大学の学費を肩代わりするケースもあり、働き続けるよう追い込まれるんです」
自分は騙されていると知っていても、居場所のない少年少女は結局、トー横に集うしかない。自分と同じような境遇の仲間が多くいるからだ。
「世間は歌舞伎町に集まるような子供たちを“不良”だと断罪します。でも、その多くが貧困や虐待に苦しむ“サバイバー”であるという認識がもっと広がってほしい。安心と安全が保たれた家がなく、さらに行政や学校からも見放され、生きていくためのお金もない。そうなれば、男のコは売春のあっせんや闇バイトに走り、女のコは買春客に頼らざるを得なくなります」
歌舞伎町に集まっているのは単なる非行少年少女ではなく、「普通に生きる」こともできない子供なのだ。

ソーシャルワーカーとして、性産業に取り込まれた被害者などへの支援事業を行っている

取材・文/週刊SPA!編集部
―[U35貧困の惨状]―

