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日本独自の飲み文化「スナック」で味わう東京の深い夜。1300軒以上を飲み歩いたスナック女子に聞く、人気のワケとは|21:00〜

日本独自の飲み文化「スナック」で味わう東京の深い夜。1300軒以上を飲み歩いたスナック女子に聞く、人気のワケとは|21:00〜

スナックに魅せられ、全国1300軒以上のスナックを飲み歩くスナック女子=スナ女®であり、外国人スナックツアー®やオフィススナック®、オンラインスナックなど、さまざまなスナックエンタテインメントを展開する「スナック横丁」を運営する五十嵐真由子さんに話を聞いた。

「本当の自分になれる」。今、スナックが求められる理由

「スナックの定義に明確なものはなく、起源も諸説あるんです」と五十嵐さんはいう。イメージとしては、ママやマスターがいて、客はカウンター越しにお酒を嗜む──そんな光景が浮かぶ。若い世代や外国人まで、多くの人を惹きつける所以は、どこにあるのだろう。

「スナックの最大の魅力は、“会話”です。中心にママやマスターがいて、おしゃべりしているうちに、カウンターに座る私たちもつながっていく。はじめは知らない同士でもいつの間にか盛り上がって、誰かがカラオケを歌えば、ハイタッチで沸く。この一体感は、他の業態の酒場にはありません。まさに“スナックエンタテインメント”なんです」(五十嵐さん・以下同)。

SNSが生活に根付き、インスタントなやりとりが当たり前になってしまった現在。失いかけていたコミュニケーションの“熱”が、スナックにはあるのだ。

そして、単にググるだけでは巡り会えない、隠れ家的なムードもまた、魅力のひとつ。「スナックの歴史は戦後までさかのぼると言われています。日本の古き良き時代のカルチャーを汲む存在であり、そのエリアの生活や人にディープに浸透している。そのノスタルジックな世界観が、海外の方にも刺さっているのだと思います」。

スナック女子・五十嵐さんは、スナック文化の振興のためさまざまな企画を行っている。そのひとつが、初心者向けのスナックツアー。参加者には20代の若い世代も多いそうだ。

若い世代がスナックを求める理由を五十嵐さんに聞くと、「多くの人は、学生時代をコロナ禍で過ごしている」という。お酒を介した深い会話をあまり経験してこなかった一方で、SNSではつい“よそ行きの自分”を表現してしまう。気づけば、なかなか本音をさらけ出せなくなっているのではないかと五十嵐さんは語る。

「そんな若者たちも、ママには素顔になって相談ができる。スナックが若い世代にもサードプレイスとしてポジティブに機能しているのを感じます。加えて、80年代・90年代カルチャーのリバイバルも、若者がスナックに向かう後押しになっていますね。歌謡曲の文化圏を突き詰めていくと、この場所に辿り着くようです」。

肩の力を抜いて、本音で話をしたいのは、若者も人生のベテランも、そして日本人も外国人も同じ。夜の風に誘われてこのドアを開ければ、違う自分になれる。それこそが、スナックという場所が持つ魔法のような魅力なのだ。

五十嵐さんの原体験から見る、スナックの魅力

実は五十嵐さんがスナックの魅力に取り憑かれたのも、まるで魔法のような出会いがあったからだ。スナック普及の活動をはじめる前、五十嵐さんは楽天トラベルでPRを担当していた。当時はまだまだ会社の知名度も低く、地方営業では門前払いをされることもままあったという。

「岐阜県の温泉地への出張が決まったときのこと。今度こそ営業がうまくいくように、前泊して街のことを予習しようと思ったんです。たまたま乗ったタクシーの運転手さんにそのことを話すと、『だったら姉ちゃん、まずはスナックに行かないと』と勧められました」。

これが、五十嵐さんのスナック初体験。恐る恐るドアをくぐると、そこには温泉街の有力者たちがずらりと集まっていた。

「みなさん、お店の常連さんで、ママのひと声で集まってくださったんです。『がんばれよ、応援してるから!』と勇気づけていただいて。『(翌日の営業先の)オーナーは知り合いだから、俺の名前出して大丈夫だよ』だとか。すっかり盛り上がって深夜1時まで飲んでしまって(笑)。本当に楽しい時間でした」。

結果、翌日の営業も大成功。このときに味わった、スナックという場ならでは肩書や立場を飛び越えて一体になる感動を忘れられず、五十嵐さんは全国のスナックを訪ね歩くようになった。

それにしても、ママや常連さんが初対面の五十嵐さんにそこまで親身になってくれたのはなぜなのだろう。

「本当に不思議なのですが、スナックではよく見る光景なんです。きっと、ママたちが当たり前にしている“おもてなし”なのでしょう」。

その場にいた常連さんたちも、かつてママから手を差し伸べられたことがあるのかもしれない。同じこの場所に辿り着いたからには、困っている人を助けたい! それもまた、スナックの持つ不思議な魅力だと言えそうだ。

配信元: Harumari TOKYO

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