東京は、終わりなき「スナックラビリンス」!
個性あふれる日本全国のスナックを飲み歩いた五十嵐さん。そんな五十嵐さんが思う、「東京のスナック」の楽しみ方は。

「かつての花街の名残で、昔ながらの横丁がいくつも残っているのが東京の特徴。狭い範囲にスナックが密集しているエリアも多いので、“ハシゴスナック”をぜひ楽しんでほしいです。あちこち巡り歩くことができるのは、東京ならではですね。私にとって東京は、“スナックラビリンス”です。探求しても探求しても、終わりがありません(笑)」。
数が多いだけに、コンセプチュアルな店舗が多いのも、特色のひとつだという。うどんや餃子など、ママの得意料理が名物になっているスナック、特撮怪獣のソフビが所狭しと並ぶスナック、ゴルフのパター練習ができるスナックなどなど。果ては縁結び上手なママがいる“婚活スナック”まであるのだとか!

「スナック初心者の方は、こうしたコンセプトのあるお店が入りやすいかもしれませんね。やっぱりスナックは“ママ・マスターの部屋”なんです。それぞれに店主の色があって、それに共鳴する人たちが集まる。だからこそ、唯一無二の居場所になるのだと思います」。
スナックがもたらす「人と人との会話でしか得られないこと」
しかしながら、過去には国内に数十万軒あったと言われるスナックも、減少し続けている。危機感を覚えた五十嵐さんが始めたのが、「スナック女子」としての活動だ。
コロナ禍にはオンラインスナックのプラットフォーム「スナック横丁」を立ち上げ、スナック界の大きな力となった。これが海外の日本好きの目にも留まり、コロナ以降のスナックツアーにつながる。
「スナックツアー®では2軒を巡り、スナックの知識を深めるクイズを交えながらガイドします。最初は照れがあった参加者も、1時間もすれば『ママ、また来るからね!』とすっかり楽しんでいて(笑)。日本人も、外国人も、同じなんです」。

「この先どれだけ技術が進化しようとも、人と人とのコミュニケーションでしか癒せない部分が、間違いなくあります。そんな場を創り上げるママのファシリテーション力には大きな価値を感じます。スナックの魅力を世界中に発信して、いつかは無形文化遺産に登録できたら──そのくらいの覚悟を持って、スナック女子、そしてスナック横丁での活動をしています!」。
五十嵐さんの活動もあり、2025年に発表された森記念財団による「世界の都市総合力ランキング」では、東京のナイトライフ充実度が大きく評価された。その要因としても、スナックツアーが着目されているそうだ。今、スナックの価値が世界的に再評価されている。

