地域の文化を「ないもの」にしないために
谷田川さんがこの活動に情熱を注ぐ背景には、自身の個人的な体験があります。東京で過ごした実家(築70年の日本家屋)を、祖母の死後に取り壊すこととなった際、何もできなかったという寂しさが、谷田川さんの活動の原動力となっているそうです。
「人口がゼロになった」と言われることもある大熊町ですが、谷田川さんはこう語ります。「町の中で何かが無くなったわけではなく、ただ止まっているだけ。でも、今誰かがその存在に気づき、触れられる形にしなければ、本当になかったことになってしまう」
谷田川さんが目指しているのは、単なる文化の「保存」ではなく、「熱量のある伝承」です。昔のままの形に固執するのではなく、今の世代が「楽しい」「美しい」と感じる体験を通じて、町のアイデンティティを次世代に繋ぎたいと考えています。
また、現在の渡部家住宅・家主の方との信頼関係も、4年間の活動を通じて深まってきました。最初は建物の中に入ることも難しかった状態から、今では共に清掃を行い、渡部さん自身が「この家を壊さなくてよかった」と思えることを目指して、場づくりを共創しています。

持続可能な「ふるさと」の形を模索する
「大熊町里山活用協議会」として独立した今、今後の展望について谷田川さんは多岐にわたるビジョンを語ってくださいました。
谷田川さんがまず何よりも大切にしているのは、「やめないこと」です。委託事業から町民活動へと形を変えても、細く長く続けていくことを最優先に掲げています。自分たちの生活の一部として、無理のない範囲で持続可能な形を模索し続けることが、結果として文化を根付かせることに繋がると考えているそうです。
さらに、大川原地区ならではの価値の創造にも意欲的です。急速に開発が進む駅周辺に比べ、大川原地区は「古き良き大熊町の生活」を肌で感じられる場所。今後は今回好評だった馬との関わりを深めることや、渡部家住宅周辺の竹を使ったワークショップなど、「遊び」を入り口とした体験型コンテンツをさらに充実させていく計画を語っていました。大熊町の持つ温かさや面白さを次世代に繋ぐため、谷田川さんたち大熊町里山活用協議会はこれからも活動を続けていきます。歴史ある古民家で、あなたも味わいのある生活・文化を体験してみませんか?

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