
◆道を聞いただけで恫喝された経験
運転代行業は飲酒運転の抑止に欠かせない仕事だが、業者へカスハラを行う客は、自ら飲酒運転をするリスクも高い。山上氏は以前、強面の男性から代行依頼を受けた際の体験をこう語る。「目的地を尋ねたんですが、電話中で答えてもらえず、謝りながらも何度か聞くと、『あぁ! うるさいな! A町!!』と怒鳴られました。発車後しばらくして、右折・左折が分かれる交差点で道を聞いたのですが、『邪魔するな!』と恫喝され、最後には顔をグッと近づけて『お前、ずっとうるさいんだよ! 降りろ!』と言われました」
山上氏が「ここで降りると飲酒運転を誘発する」と説明しても聞き入れられず、やむなく降車した。すぐに警察へ通報し、利用者は飲酒運転で検挙されたという。料金も受け取れず、無駄足となってしまった。
◆酩酊した利用者からしつこい電話が…

「タクシー利用者は、居酒屋などを出て通りすがりを捕まえることが多いですよね。ですが、運転代行は自分がいる店や場所、駐車場の番号、車種とナンバーを申告できないといけないので、泥酔している人にはハードルが高いのでしょう」
しかし、電話口で場所すら言えない利用者も存在する。
「電話がきて『どちらまでお迎えに行きましょうか?』というと、『どちら……わかりません』とおっしゃるんですよ。改めて聞いても『筑紫野市』としか言ってくれない。電話を切ってもまた同じ方からかかってきて『1台お願いします』と言うので場所を聞くと、やっぱり『わかりません』と。これが何回も続き、困り果てました」

