◆無邪気すぎる名言が観客の“素直な熱狂”を生んだ背景
その無邪気さは、多くの名言を生み出した。「地球に生まれて良かった〜!」「今日寝れないよ? 言っとくけど!」「涙が出て来た!なんだよコレ!」「も〜~お!今日観なかったらアホ!言い過ぎた!」「霊長類なめんな!」と、素直すぎる名言を連発。今回の東京大会でも「ああ、もう立ってられない!」と、カメラの前でエクスタシーの限界に達していることを吐露。ここまで来ると、もはや「人生賛歌」のポエムとすら思えてくる。彼が人々の羞恥心を取り払ったことが、今回のスタンドの素直な反応に、きっと大きく貢献しているはずだ。
◆「タレント起用」の批判を跳ね返した胆力
キャスターに就任した当時は、陸上競技に知見のない「タレント起用」に少なからず批判もあり、また感情をストレートに表す姿に「うるさい」という意見もあったという。それを織田裕二は「本気ならば必ず伝わるはずだ」という姿勢で跳ね除けた。さすがの胆力だ。そして、今大会を持って世界陸上から引退することを宣言。「お叱りの言葉もたくさんあることを踏まえて、体力の限界!楽しいうちにやめたい。もう迷惑かけちゃう。老兵は去ります」と語った。

