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桐島かれんさん、金継ぎを習う「割れた器に、新たな命を吹き込む」

桐島かれんさん、金継ぎを習う「割れた器に、新たな命を吹き込む」

割れた器に、新たな命を吹き込む。
次世代にも伝えたい金継ぎの魅力

“ものを大切に”という思いが息づいた金継ぎは室町時代に生まれた、日本ならではの文化です。
割れた器をよみがえらせ、修繕跡も新たな景色として楽しむ。
そんな金継ぎの世界を、かれんさんが体験します。

〝直して使う〟という選択肢が器の楽しみ方を広げてくれる

旅先で出合ったアンティークから現代の作家ものまで、思い入れのある器が、わが家にはいくつもあります。とはいえ、夫のアシスタントさんや家族と大勢で食卓を囲む毎日では、どうしても欠けたり、割れたりする器も出てきてしまうもの。

とくに繊細な土ものは、うっかりぶつけただけで縁が欠けてしまうこともあります。
そんな器が増えていき、あるとき夫やアシスタントさんたちと一緒に、市販の初心者向けキットで金継ぎにトライしたことがありました。

ただし、それはあくまでも簡易的なもの。
漆を使った本来の金継ぎではなかったので、いつかはきちんと習ってみたかったんです。母がコレクションしていたアンティークなど、大切な器はやはり丁寧に修繕したいと思っていましたから。

今回は漆作家として作品を作りながら、金継ぎの講師もされている宮下智吉さんに道具をお借りし、欠けていたお皿を継いでみました。

金継ぎの大まかな工程は、割れた部分を漆で接着して欠けた部分を埋め、表面を磨いて整えたあと、漆を塗って金粉を蒔く、という流れ。
金の代わりに、銀や真鍮を使うこともできます。

何度も工程を重ね、乾かして……と時間はかかりますが、その〝待つ時間〟さえ、ぜいたくで楽しいものです。どんなに素敵な器でも、棚に眠らせたままではもったいない。
器は、使ってこそ生きるものだと思います。

以前なら泣く泣く手放したかもしれない割れた器も、「直してまた使える」と思えるだけで、気持ちが楽になる。
何より、金の継ぎ目が入ることで器は生まれ変わり、違う景色が見えてきます。

金継ぎした器は、もともとの作り手と自分との、いわばコラボレーション。いっそう、その存在が愛おしく感じられるんです。

【close up】
洋の器にもマッチ品よくおしゃれに

以前、金継ぎキットを使って直した、イタリアの陶芸家・ペロションの器。
「複雑に割れた器は、やはりプロの方でないと直すのが難しいそう。初心者は欠けた縁を直す程度のものから挑戦するのがよさそうです。繊細な作業も、自然と集中できて心地よいものです」

金粉を蒔く前の下地となる「べんがら漆」。これを塗ることで金が美しく発色するそう

photograph: Hiroki Yumoto styling: Erina Kikkawa text: Hanae Kudo special thanks:
Tomoyoshi Miyashita

大人のおしゃれ手帖2026年3月号より抜粋
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