◆「向いていない」と思った営業で、トップセールスになるまで
――こうした考え方の背景には、ご自身の経験もあるのでしょうか。大きくあります。私はNECで営業として働き始めましたが、当初はまったく向いていませんでした。話もうまくないし、知識も足りず、上司から「明日から同行しなくていい」と言われたこともあります。でも、そこで「才能がない」で終わらせず、「自分にできることは何か」と考え直しました。そこでたどり着いたのが、「話すより聞く」という姿勢です。8割聞いて2割話す。相手の言葉をよく聞き、本当に困っていることをつかむことに徹した結果、営業の質が変わり、数字も伸びていきました。その結果、入社3年目には埼玉県警、千葉県警、神奈川県警を同時に担当し、Sランク事業部で過去最高水準の売り上げを記録、トップセールスになることができました。特別な才能があったわけではなく、「人に喜ばれる仕事をする」という軸を持てたことが大きかったと思います。
◆「人に喜んでもらう」が、自分のOSだった
――その経験が、この本の核につながっているのですね。当時はまだ「人生のOS」という言葉では捉えていませんでした。でも振り返ると、自分の中でずっと動いていた軸は、「人に喜ばれる仕事をする」ということだったんです。どんなに数字を追う日々の中でも、目の前のお客様の笑顔をゴールにしていた。それが自分のエネルギー源でした。OSというのは、最初から立派な言葉で定義されているものではありません。うまくいった経験や、本気で向き合った時間の中から、あとになって輪郭が見えてくるものなんです。

