「歯ぐきから血が出る」「口が乾く」「歯がぐらつく」これらは更年期以降の女性ホルモンの変化と関係しています。50代以降は歯垢がたまりやすく、骨粗しょう症により歯を支える骨にも影響が及ぶ時期。しくみを知り、日々のケアに生かしましょう。
更年期を過ぎた女性に増えやすいお口のトラブル
年齢とともに感じるお口の違和感には、女性ホルモンの変化が大きく関係しています。
女性ホルモンには、歯ぐきを感染から守る働きがあります。しかし更年期を迎えると、このホルモンが減少し、歯ぐきが歯垢(歯の汚れ)の影響を受けやすい状態になるのです。
若い頃は多少歯の汚れが残っていても、体の防御機能によってトラブルが起こりにくい状態が保たれていました。ですが更年期以降はそのバランスが崩れ、これまで僅かで目立たなかった炎症が表面化しやすくなります。
そのため、これまでと同じケアをしているつもりでも、
・歯ぐきが腫れやすい
・出血しやすい
・口の中の不快感が増える
といった変化を感じやすくなるのです。
50代を過ぎると歯垢リスクと骨粗しょう症リスクが高まる
50代を過ぎると、歯の健康に関わる2つのリスクが同時に高まりやすくなります。
それが「歯垢による歯周病リスク」と「骨粗しょう症のリスク」です。
女性ホルモンが減少すると、歯垢による歯周病リスクが高まります。
これは、歯ぐきが下がったすき間に歯垢がたまりやすくなり、さらに唾液の分泌が低下して口の中の自浄作用が弱くなるためです。その結果、歯周病が進行しやすくなります。
同時に、体全体の骨密度も低下しやすくなり、骨粗しょう症のリスクが高まる時期でもあります。ここで注目したいのが、歯を支える「歯槽骨(しそうこつ)」の存在です。
歯槽骨は歯の土台となる骨ですが、骨粗しょう症によって密度が低下すると、内部がスカスカの状態になり、歯をしっかり支える力が弱くなってしまいます。
その状態で歯周病が進行すると、歯ぐきだけでなく骨までダメージが及び、
・歯がぐらつく
・歯が抜けやすくなる
といったリスクが一気に高まります。
つまり、骨粗しょう症と歯周病は直接つながっているわけではありませんが、「歯周病になりやすい状態」と「骨が弱くなりやすい状態」が重なることで、歯の喪失リスクが高まるのです。
更年期以降は、これら2つの変化が同時に起こりやすい時期。だからこそ、歯と骨の両方の健康を意識することが、これからの自分の歯を守るために重要になります。

