しかし、免許を取ったばかりの頃の緊張感や初心を忘れ、なぜ自分勝手な運転をしてしまうのでしょうか。ハンドルを握る側のちょっとした慢心が、時に思いもよらない「自業自得」な結末を招くこともあります。
今回は、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、夜道でボロボロの軽自動車を執拗にあおった「黒塗りのクラウン」の事例を、最新の法規と共にお届けします。パッシングを繰り返し、相手を追い詰めたはずの若者たちが、車から降りてきた人物を見た瞬間に路上で「土下座」を始めた理由とは――。
◆不審な軽自動車との遭遇

そう振り返るのは、宅配運送会社で働く本宮さん(仮名・34歳)。仕事柄、夜間の走行は慣れっこですが、その車はどうにも違和感があったといいます。
「速度も遅いし、制限速度40キロなんですが、どう見ても30キロも出ていないような感じでした。とにかく“危なっかしいな”という印象でしたね」
業務車両を運転する立場として事故には人一倍気をつけている本宮さんは、不測の事態に備えて少し車間を広めにとったそうです。すると、その判断が思わぬ出来事を目撃することにつながります。
◆黒塗りクラウン、苛立ちの蛇行運転

「“ああ、後ろもイライラしてるな”ってすぐに分かりましたよ。そりゃあそうですよね。自分だって前の軽が遅いせいでスムーズに走れないわけですから」
ただ、苛立ちの矛先はあくまで軽自動車に向けられている様子でした。本宮さんは巻き込まれないように、アクセルを緩めてさらに距離を広げます。
「しかし次の瞬間、そのクラウンが強引に私の前に割り込んできたんです。そこからは本当に怖かったですね。パッシングに蛇行、そして車間距離をギリギリまで詰めて……“これがニュースでよく聞くあおり運転か”って」
クラウンは執拗に軽自動車を追い立て、本宮さんの緊張は高まる一方でした。

