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【オトナの人生相談】職場トラブルで40代からひきこもり…社会復帰したい61歳女性

【オトナの人生相談】職場トラブルで40代からひきこもり…社会復帰したい61歳女性

心に絡みついた「嫌な出来事」をほどく作業

心に絡みついた「嫌な出来事」をほどく作業を

由紀子さんが何か失敗をして退職することになったのなら、「失敗したのは自分の力不足だったけれど、次は失敗しないようになれる可能性がある。自分には、まだノビシロがあるということだ」と、これからの自分に期待する方向に考えるといいでしょう。

私は、失敗した時を含めてうまくいかなかった時には、「私はまだまだだな……」とニッコリします。反省の気持ちもありますが、できなかったことができるようになるという可能性を信じる方向に心の舵をきるのです。

職場の人から理不尽な扱いを受けて退職に追い込まれたのかもしれません。しかし、残念ながら、相手の悪口をいくら言っても、「誰かのせいにしている」ので自分は不幸のままです。

私にも、許せない人がいました。その人が、自分の立場を誇示するために、私はひどい目に合わされました。20年近く何度もフラッシュバックして夜中に目が覚め、不快なまま朝を迎えたのは数十回に及ぶでしょう。相討ち覚悟で、復讐しようと思ったことさえありました。

しかし、あるとき「考えてみれば、あんな方法でしか自分を誇示できないのはなんと情けない人だ。かわいそうな人だ」と、その人を憐れに思ったのです。以来、フラッシュバックはなくなりました。

思い返しても切なく、やるせない当時の出来事は、由紀子さんのプライドをひどく傷つけたことでしょう。

しかし、当時のプライドも、現在のプライドも、自分が勝手に思っているだけです。多くの誇り(プライド)は心の埃に似ているかもしれません。どんなことも(プライドを含めて)、集まってくる縁によって変化します。同じ状態を保ち続けることはありません。これが仏教の説く“諸行無常”の原則です。

自分のプライドが接着剤の役目をして、嫌な出来事の粘着性を高め、心に絡みついている可能性もあります。

このように、今の状況を脱するために、今も心の絡みついていることを分析し、丁寧にほどいていく作業が、今の由紀子さんには必要だと思います。

引け目を感じず「充実した毎日」を目指して!

引け目を感じず「充実した毎日」を目指して!

最後に、ひきこもりになり、生活保護を受けて生活している現状についてです。

私は、ひきこもりは悪いとは思っていません。人間関係はわずらわしいものです。そのわずらわしさから逃れ、自分を守るために、ひきこもりはすぐれた方法の一つです。僧侶の出家も、社会から距離を置くという意味で“ひきこもり”なのです。

ひきこもっていても、先祖のお墓参りや写経、一人でできる趣味などで生活が充実していれば、引け目を感じる必要はありません。

生活保護にしても、最低限の生活を守り、自分を守るためのシステムですから、日本に暮らす者として、堂々と享受すればいいでしょう。由紀子さんが45歳まで働いて払った税金から生活保護費を還付してもらっていると考えてもいいでしょう。税金を納めている人の多くは「誰かの役に立っている。お互い様だ」と思って納めているのです(と思いたいです)。

改めて申し上げますが、現状から脱して、社会復帰したいなら、それを阻(はば)んでいるものの正体を、しっかり分析してみてください。そのために「よし、65歳になるまでには何とかするぞ」など、近い将来の目標を立てるといいかもしれません。

由紀子さんが、一日も早く、充実した日々をお過ごしになられることを願っています。

回答者プロフィール:名取芳彦さん

回答者:名取芳彦さん

なとり・ほうげん 1958(昭和33)年、東京都生まれ。元結不動・密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所所長。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。写仏、ご詠歌、法話・読経、講演などを通し幅広い布教活動を行う。日常を仏教で“加減乗除”する切り口は好評。『感性をみがく練習』(幻冬舎刊)『心が晴れる智恵』(清流出版)『気にしない練習』(三笠書房)、『心がすっきりかるくなる般若心経』(永岡書店)など、著書多数。

※HALMEK upの人気記事を再編集したものです

配信元: HALMEK up

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