◆リリーバー転向で評価は急上昇
思えば、佐々木のルーキーシーズンは苦難の連続だった。東京での開幕シリーズでローテーション入りを果たすも、日本とは異なる環境に大苦戦。持ち前のフォーシームがその威力を失っただけでなく、制球難にも苦しみ、レギュラーシーズンはわずか36回1/3で6被弾。ロッテ時代の自己ワースト2022年の7被弾(129回1/3)に並ぶ勢いだった。また、5月には右肩にインピンジメント症候群を発症。1年目は8試合に先発しただけで、長期離脱を強いられた。
佐々木は長いリハビリ期間中もメジャーに帯同。マイナーで実戦復帰を果たしたのは8月中旬だった。しかし、リハビリ登板の位置づけで臨んだマイナーの試合でも、制球難やフォーシームの球威不足は相変わらず。今季中のメジャー復帰は絶望的とみられた。
ところが、チーム事情もあってマイナーでリリーバーとしてテスト起用されると、2試合を零封。レギュラーシーズン終了間際にメジャー昇格後も新たな役割をほぼ完璧にこなし、ワイルドカードシリーズのロースター入りを勝ち取った。
◆佐々木朗希が示した守護神の資質
考えてみれば、佐々木が持ち味とするフォーシームとスプリットのコンビネーションは、まさにクローザー向き。奪三振率の高さも相まって、地区シリーズ以降は新・守護神として起用されることになるはずだ。その佐々木とドジャースが、5日(日本時間)から始まる地区シリーズで対峙するのがフィリーズである。
フィリーズは、レギュラーシーズンでドジャースを上回る勝率をマークし、ナ・リーグの第2シードを獲得。先発投手陣の防御率はドジャースの3.69を上回る3.53とローテーションが強みの一つとなっている。

