◆負けない投資とは?
売買の主導権は自分にあり、かつキャッシュフローがある状態。この状態であれば損するケースは絶対に無い「負けない投資」になるのです。例えば、購入した株が値下がりしたとします。多くの人は「株価が下がって損した」と思うかもしれませんが、私は全然気にしません。なぜなら売却さえしなければ、いつかは配当や優待で元が取れるからです。売買の主導権が自分にあれば「待つ」こと、つまり時間を味方にできるので、いつかは値下がり分は取り戻せます。これがもし「〇月〇日までに売却しなければならない」と期限が切られるような、売買の主導権が自分に無い状態であれば、泣く泣く損切りをしなければいけなくなるのです。
ただし、株の場合は経営陣や他の株主など「他人」の都合により、急に配当が減ってしまうケースもありえます。その点では株よりもキャッシュフローを安定して見込むことができる債券や不動産のほうが、より「主導権は自分にある」と言えるでしょう。とはいえ、これらの投資先にも「金利」という自分以外に主導権がある事柄が存在しています。ただ、私は「投資家」であって債券の専門家でも不動産の専門家でもありません。特定の投資先に縛られることなく、「手取り家賃÷物件価格」の利回りが、金利より高いのであれば借入をして不動産を購入し、逆に金利が上がって不動産が逆ザヤになるようであれば、資金を引き上げ、利回りの上がった債券に資金を投下します。これだけで、常にプラスで運用できるのです。
◆本当の投資をしよう
もちろん、隣を見れば大儲けしている人たちがいるかもしれません。しかし投資は「他人」と比較して勝ち負けを争うものではなく、「自分」が幸せになるために、経済的な自由を得るために行うものだと思っています。他人に影響され、左右される投資は他人に主導権を握られた状態なので、当然他人のさじ加減一つで勝ち負けが決まります。だから負けたときは「社会が悪い、相場が悪い、企業が悪い」と考えるのは他責の投資であるため正しい考えなのですが、そもそも自分でコントロールできていない時点で博打なのです。「投資は自己責任」と言われますが、これは決して「損をしても得しても自分のせい」ということを言っているのではなく、「他責ではなく自己責任であるものが投資」と私は考えています。「自分の考え方、やり方一つで損にも得にもなる」のが投資なのです。自分の人生ですから「自分が主導権を持つこと」が何よりも大事です。自分から主導権を奪おうとする事柄からは距離を置いて過ごすことさえできれば、きっと詐欺に逢うこともなく、投資も上手く進むと考えています。その意味では「自己責任論」をずっと押し付けられてきた氷河期世代は、まさに負けない投資ができるはずなのです。<構成/上野智(まてい社)>
【村野博基】
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)、『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)

