50歳を目前に突然の喘息、更年期のだるさで1週間寝込むことも――。イラストレーター上大岡トメさんが、漢方医から学んだ考え方や日々の養生術を語ります。50代からの体と上手に付き合うヒントとは?
50歳で突然の喘息。「死ぬかと思った」体の変化
「50歳を境に、自分の体が急に変わった気がするんです」
そう話すのは、イラストレーターでヨガインストラクターでもある上大岡トメさん。パワフルに活動してきたトメさんですが、50代に入ってからは年齢なりの体の変化に戸惑うことも多くなったと語ります。
「それまでは大きな病気もなくて、健康そのものだったんですけど、50歳を目前にしたある日、咳が止まらなくなってしまったんです」
呼吸器科で告げられた診断は「喘息」。花粉やPM2.5が多い時期に、疲労やストレスが重なったのが原因かもしれないと振り返ります。
「喘息は深刻な呼吸困難を引き起こす病気。先生に『死なないように、がんばりましょう』と言われたときは、“え、私、死ぬの?”って、本当に怖かったです」
一時は声が出なくなり、講演会を初めてキャンセルする事態に。幸い、投薬治療によって2か月ほどで症状は落ち着いたものの、喘息は完治が難しい病気です。
「疲れると、今でも咳が出そうになるんです。だから薬はお守り代わり。とにかくストレスを溜めないように、前よりもずっと意識するようになりました」
こうして喘息とうまく付き合いながらも元気を取り戻したトメさんですが、今度は更年期の波が押し寄せました。
人はみんなエネルギー量が違う?漢方医の考え方
だるさや微熱で起き上がれない日が続き、ひどいときは1か月のうち1週間寝込むことも。しかも当時はコロナ禍。症状が似ていたため、不安はさらに大きくなりました。
「スタジオでヨガのインストラクターをしていたので、毎回『これ、コロナだったらどうしよう……』とビクビク。それもストレスでしたね」
ホルモン補充療法も検討しましたが、副作用への懸念から、漢方治療を選択。著書の取材を通じて知り合った、東京女子医科大学附属・東洋医学研究所所長の木村容子先生のもとで、治療を受けることにしました。
「漢方が私には合っていたみたいで。体全体のバランスが整って、体力を“底上げ”してもらうような感覚がありました」
木村先生から教わった中で印象的だったのは、「エネルギーボール」という考え方。
「人はみんな、生まれたときから持っているエネルギーの量が違うそうなんです。それをボールの大きさに例えるんですね。
ときどき『いつ休んでいるの?』と思うぐらい、いつも元気でエネルギッシュな方っているじゃないですか。そういう人を見るとすごいなぁとうらやましくなりますが、そもそも生まれ持ったエネルギーボールの大きさが違う。だから、比べてもしょうがないんです」
さらに女性の場合、28歳をピークにエネルギーボールは少しずつ小さくなっていくとも。
「だからこそ、年齢を重ねた50代からは無理をしないことが大切。完璧にやろうとせず、エネルギーを小出しにすることが長く元気でいられる秘訣だと先生から教わり、気持ちが楽になりました」

