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【体験談】56歳カナコ・推し活の熱狂の先に見えたもの(後編)

【体験談】56歳カナコ・推し活の熱狂の先に見えたもの(後編)

ファン同士の嫉妬、噂、無視…推し活のしんどさも知った

ファン同士の嫉妬、噂、無視…推し活のしんどさも知った
Pangaea / PIXTA

それを快く思わない人たちもいたようです。

 「Mとカナコさんがひそひそ話していた」

 そんな妙な噂がコミュニティの中で一人歩きして、現場で会っても無視されたことがありました。別にいい、一人で楽しめばいい。そう思おうとしても、やはり周囲の目は気になりました。

そんなある日、ライブ会場でMさんの事務所の方から、こっそり声をかけられたんです。

 「本人が肖像画を描いてほしいと言っているんですが」

彼がかわいがっている犬とのツーショット写真を見せられ、「こういう感じの絵を家に飾りたいと言っている」と。しかも、仕事として謝礼も出します、と言われました。

彼が私の絵を本当に気に入ってくれていたんだ。 そう思うと、何もかも吹き飛ぶほどうれしかったですね。

距離を縮めたい気持ちの先で見えた“ちょうどいい関係”

絵は事務所宛てに送りました。Mさんからはお礼状が届きました。でもライブのハイタッチ会では、ほかのファンの人たちと同じように接してくれたんです。

それを見て、私はようやく彼との距離感がわかった気がしました。

ファンは、どうしたって距離を縮めたくなる。私もそうでした。でも彼は、みんなの前ではあくまでも“ファンの一人”として私を扱いたいのだろうし、絵のことも知られたくないのだろう、と。

私の絵を喜んでくれていることだけは確か。それで十分なんです。

「お礼はいりませんから」と伝えて、私はさらに凝った絵を贈りました。これは自分の趣味であり、楽しんで描いていることだから、受け取ってもらえるだけでうれしい……そう書いたカードも添えました。

その後、私がライブ会場で普通にふるまうようにしたことで、M友さんたちとの関係も少しずつ戻っていきました。ライブ後にみんなで食事をすることもあります。表面上は穏やかです。

ただ、誰かが抜け駆けするのではないか、誰かが特別な気持ちをもらっているのではないか。そんな探り合いは、やはりあります。ファンって、自分を認識してほしくてたまらないものなんですよね。

配信元: HALMEK up

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