50代から新しい一歩を踏み出して、第二の人生を歩み始めた人たちを追う「わたしリスタート」。専業主婦から東日本大震災を機に、メイクセラピストの道へ。メイクの力で、女性が自信を持って羽ばたくことを応援し続ける大西直実さんにお話を伺いました。
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あなたの“リスタートのヒント”が、きっと見つかるはず。
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大西直実さんのリスタート・ストーリー
専業主婦として2男1女を育てる中で、夫婦関係や育児に悩み、自分を責めることが多かったという大西直実さん。
40代のとき、母でも妻でもなく、一人の女性としてのやりがいを見出すため、トラベルジュエリーの卸業・個人販売を始め、バッグやストールなど幅を広げていった。
2011年、東日本大震災でのボランティアをきっかけに、メイクには女性を元気にする力があることを実感。
2016年、「メイクセラピストジャパン」認定メイクセラピーアドバイザーを取得。その後、「レドアメイクアップスクール」でもメイクを学ぶ。
「女性が自信を持ち、羽ばたくことを応援したい」と、“るん大西”の名称でメイク講座を開催。親しみやすい人柄と、「マイナス6歳若見えメイク」などが評判となり、インスタグラムやYouTubeでは、同世代の女性たちに支持されている。
自分を満たすのは「人が喜んでくれる顔」と気付いて

――メイクを学び始めたきっかけは?
もともとメイクは好きでしたが、メイクの力を感じたのは東日本大震災のとき。
有志の女性たちとボランティアで近所のシニア向けに弁当づくりをしていて、休み時間に「こんなふうに眉毛を描いたらもっとかわいくなるよ」などと遊びの延長でメイクをしてあげたんです。すると、おばあちゃんたちがパッと笑顔になって。
日本がこんなに大変なときでも、メイクには女性を笑顔にする力があるんだ!と感動しました。
それで54歳のときに心理学も含めて学べるメイクセラピストのスクールに通い始めました。1年ほど通いましたが、同世代の女性たちと切磋琢磨する中で、自分自身の気持ちの持ち方も大きく変わったように思います。
――メイクを学んでいちばん変わったことは?
内面から自信を取り戻せたこと。
結婚してからはずっと専業主婦として3人の育児に追われ、夫は起業で忙しく、家の中で孤独感を感じていました。若い頃は、友達に励まされたり、飲みに行ったり、買い物したりすれば気が晴れたけれど、40代になった頃から何をしても自信が回復しなくなったんです。
何とかしたいともがき続ける日々でしたが、メイクで人が喜んでくれたときに、自分の内面から満たされていくような感覚がありました。
メイクも、年を重ねるほど、キレイ見えの決め手の8割がベースメイク。人間もメイクも、下地がしっかりしていないと輝けないですね。

――ただ学ぶのではなく、仕事にしようと思った理由は?
スクールでインストラクター養成講座を学ぶうちに、第二の人生「メイクで人の役に立つ仕事をしたい」という目標が見えてきました。
お金をいただくからにはより深くメイクのテクニックを学ぶ必要があると思い、55歳からは中目黒のメイクアップスクールにも1年通いました。10代、20代の若い子たちもたくさんいる学校で、業界の最先端を行く講師が教えるようなところに飛び込んだんです(笑)
もちろん学校で教えるのは、芸能界や雑誌のキラキラした世界で生きるテクニックが主。プロの技など学びも多かったですが、私がやりたいことは、中高年の女性たちの「今」を輝かせるメイクで喜ぶ顔を見ること、という目的がはっきりしてきました。

