昼食も夕食も日本より遅いフランスは、おやつ時間も16時。パリジェンヌが普段食べているおやつを紹介します。
〈ガトー・エ・デュ・パン〉のパン・ペルデュ
―€3―

フランス語で「失われたパン」という意味のパン・ペルデュは、硬くなってしまったパンをもう一度蘇らせたもので、卵と牛乳にしっかり浸してたっぷりのバターで焼き上げる。古いパンを再利用するので、倹約のおやつと言われてきたが、実はカフェやレストランのデザートとして載るほどの人気の一品。バゲット、ブリオッシュ、どちらを使うかで食感も変わるが、バターが香るリッチな味のブリオッシュが断然おいしい。ピエール・エルメの元で修業をしたクレール・ダモンが展開する『ガトー・エ・デュ・パン』のものは焼きたてのブリオッシュをバニラ風味クレームブリュレ液に浸して焼き上げる。オーガニック素材で作られたスペシャル感ある味。

文・写真/紀中麻紀
パリでケータリングを主宰。お菓子と猫好き。
instagram.com/makikinaka_aubonmparis

BEAUTIFUL THINGS / 美しい、ということ。&Premium No. 143
洗練された大人が選ぶのは、心がときめく「美しいもの」や「美しいこと」、そして自分らしい美しい生き方ではないでしょうか。いまの時代、効率や成果が大切にされる一方で、夕陽の輝きに見とれたり、花のひらく姿に心を澄ませるといった感覚が、少しだけ後回しにされているようにも感じます。けれど「美しい」と感じる心こそが、私たちの日々を本当に豊かにしてくれるのだとは思います。この一冊では、住まい、装いや日用品などのもの選び、ふるまいや言葉、そして生き方にいたるまで、Better Life の礎となる「美しい」を見つめ直すためのヒントを探ってみたいと思います。
andpremium.jp/book/premium-no-143

