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単に「迷惑な客」と言ってもその詳細はいろいろです。ひとつ言えるのは、その類の人たちが、店にとってはありがたくない客ということではないでしょうか。今回は、ファミレスを舞台にした迷惑客のエピソードです。ただ、その結末は少し複雑だったりするのです。

◆足繁く通ってくる男性客
そのファミレスでは、近くに女子大が2つもあり、アルバイトのほとんどが女子大生だったといいます。そんな活気あふれるお店に、最近毎日のように来店する1人の男性客がいたそうです。「いつも決まって午後4時前に来店し、コーヒーを一杯だけ飲んで帰るその男性のことを、はじめのうちは特に気にも留めていなかったのですが、いつの頃からかウチの女子大生店員のSさんによく話しかけている様子を目にすることが増えました」
とくに態度に問題があるとか、執拗に声をかけるということではなかったため、林田さんはあまり気にせず静観していたそうです。
◆ロックオンされた女子大生店員
相変わらず毎日決まった時間に店を訪れる男性客。ところが、日を追うごとにSさんに声がけする回数が増してきたといいます。「ランチタイムが終わってからの午後3時頃という時間帯は、比較的店内が空いているんです。そのせいもあってか、私がスタッフのシフトを空いた席で組んでいると、例の男性の声が聞こえてきたんです。視線を向けずにその様子に聞き耳を立てていたところ、どうやら男性がSさんに何かをお願いしているような雰囲気でした。それ以上は聞き取れなかったのですが」
その当時、他には客もまばらだったせいか、Sさんは、かなりの頻度で男性客のテーブルへ行き来していたといいます。

