◆意を決して立ち上がった店長
「僕の座っている席からはSさんの表情が見えなかったので、実際はどうだったのか分かりませんが、なんとなくSさんが困惑しているのではないかと少し心配になりました」林田さんは助け舟を出そうと決意します。にレジ付近に戻り、そこから少し大きな声で「Sさーん、少しいいですかー!」と、その男性にもわかるように呼び寄せたといいます。
そのあと林田さんは意を決して男性のテーブルまで歩み寄り「今後は自分が接客を担当させていただきます」と告げたそうです。
「予想に反して、その男性は少し驚いた表情を浮かべ、すぐに店を出ていきました。それ以来、男性は来店しなくなりました。とにかく今はホッとしています」
◆想定外の展開にあぜん

「同僚の話によると、Sさんはその男性に何度も呼びつけられるうちに、どういう訳かその男性に好意を持ってしまったようなんです。そうとは知らずに、僕は迷惑を被っていると思い、助け舟を出したのですが、どうやらSさんのほうからLINEの交換をお願いしていたそうで、そこへ僕が割って入ったものだから、彼女の夢は一瞬にして玉砕ということに……」
Sさんは、意を決してLINEの交換を申し出るも、それが失敗に終わり、一方、業務を逸脱していた自分への罪悪感も加わり、アルバイトどころではなくなったそうです。

