
「自分で前髪をちょっと切ったら美容師にバレて注意された」
「セルフカラーしたら、イヤそうな顔をされた」
そんな“気まずい体験”をした人、意外と多いのではないでしょうか?
ちなみに僕自身は、お客さまがご自身でヘアカットしたり、ヘアカラーをすることに一定の理解を示すようにしています。
長い前髪や白髪が増えた状態で、日常生活を過ごすことが苦痛というのも理解できるからです。
短いスパンで美容室に通える方は問題ないですが、お客さまの事情もあるかと思います。
注意するというよりは、簡単なカットの仕方をお伝えしたり、ご自身で可能なヘアケアや白髪の対処方法をお伝えするよう心がけています。
では、“注意する側の美容師”というのは、なぜ注意をするのか。
それは決して、お店の売り上げのためではありません。
今日は、なぜ美容師がセルフカットやセルフカラーに注意するのかをお伝えいたします。
◆美容師が嫌がる!? セルフカットの落とし穴

①デザインの崩れ
セルフカットでも上手に切られている場合もあるのですが、中には大胆にカットしてしまう方もいらっしゃいます。
「右を切って、次は左もそろえて……もう少し右を切って……あれ!? 短くなっちゃった!」
セルフカットではあるあるです。
特に濡れた髪は乾くと縮むため、想像以上に短くなりやすい。切りすぎた部分は修正も難しく、美容師泣かせになることも。
②市販のハサミで起こる毛先の痛み
美容師にとってハサミは大切な仕事道具のひとつです。ハサミ1本で10万以上することも珍しくありません。
髪に負担をかけずに、綺麗にカットするために美容師用のハサミがあるわけですが、セルフカットされるお客さまが使うハサミはご家庭にある、工作用ハサミやキッチンバサミ、100均などの安価なハサミであることが少なくありません。
こういったハサミは刃が荒く、枝毛やガサつきの原因にもなります。
◆セルフカラーで一番怖いのは「未来の髪」

家庭用カラー剤は、誰でも色が出るよう“強めの成分”で作られているのが特徴。
成分が強いと髪や地肌が痛んでしまうため、未来の髪が心配になり、思わず注意してしまうのです。
セルフカラーによる影響は大きく分けて2つあります。
①髪が乾かない、色がすぐ抜ける
一度傷んだ髪というのは、髪が乾くのが遅くなったり、せっかく入れた色が抜けやすかったり、その後美容院に行っても綺麗に直せないということがあります。
そのため、お客さまが望むような、“綺麗な発色で長持ちする、白髪にしっかり色を入れたい”という理想を追求しにくくなります。
②髪だけでなく、地肌も痛む
セルフカラーをおこなうことで、髪だけでなく地肌が荒れてしまうケースもあります。
地肌が荒れてしまうと、頭皮のフケや痒み、抜け毛はもちろん、今後生えてくる髪がくせ毛、細毛になったり、白髪が多くなったりと、未来の髪にも悪影響を及ぼしてしまいます。
「カラートリートメントだから安心」と思われがちですが、実は頭皮の負担はゼロではありません。かゆみ、フケ、抜け毛、アレルギー反応が出ることもあります。

