◆投資家が注目する高配当銘柄

「12か月先の予想配当利回りが高い上位20%の銘柄とTOPIX(東証株価指数)のパフォーマンスを比較すると、ここ5年間でTOPIXが+60%なのに対して、高配当株上位20%が+80%と上回っている。背景にあるのは、株主還元強化と新NISA。
’23年に東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に是正措置を取るよう号令をかけた影響もあり、自社株買いや増配を行う企業が増加し、買いが集まりやすくなりました。そうした高配当株は『新NISA枠を早く埋めよう』という投資行動から毎年1月に最も買われる傾向にあるのです」
◆「未来の高配当株」投資を狙え!
一般に高配当と株価の値上がりはトレードオフの関係になりやすい。同じ配当額でも株価が下がれば、配当利回りが上がるためだ。さらに、業績悪化から減配ないし無配転落となれば、たちまち株価が急落するリスクを伴う。だが、着実に配当収入と値上げり益を狙う方法もある。それが「未来の高配当株」投資だ! 配当金が“増え続ける”銘柄を狙い撃ちする手法だ。
「業績が右肩上がりで、自己資本比率が50%前後はある企業なら増配余力があるので、値上がり益と配当の二重取りを狙うことも可能でしょう。多くの企業が『累進配当』(減配せず段階的に引き上げること)やDOE(株主資本配当率)の目標値などを示すようになってきたので、そうした配当方針も参考にはなる。ただ、重要なのは着実に株価が伸びていること。業績も配当も株価も上向きの銘柄を選ぶほうがいいでしょう」

