男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:「なぜ2回目がなかった?」年下女性との初デートで、44歳男性が陥った“恥ずかしい勘違い”
ようやくやってきた春なのに、僕の心はまだ寒い。
なぜなら、とても良い感じで進んでいた美波から、パタリと連絡が途絶えたから。
たまたま知り合い、そこからデートまで進んだ美波。
そしてデート中に「桜が綺麗に見える店で、次はデートをしよう」と約束をし、具体的な日程まで決まっていた。
デート後もやり取りは普通に続いていた。
しかし、デート前日「明日のデート、予定通りで大丈夫ですか?」とLINEを送って以降、急に連絡が来なくなったのだ。
今朝スマホを見たら、未読のままだ。
― どうしたんだろう。何か事故でもあったのかな。
そう思ったが、彼女のインスタは今朝更新されていた。
デートの約束までしていたのに、急に音信不通になる女性の心理は一体なんなのだろうか。
美波と出会ったのは、異業種交流会だった。
友人の会社が入っているコワーキングスペースが主催の交流会に参加したところ、会の終盤に美波と話した。
美波は小柄で華奢だが、どこか意思の強さを感じさせるようなオーラも持ち合わせている、美しい人だった。
「じゃあ美波さんも、僕みたいに友人に誘われて参加したんですか?」
「そうです。私の友人がここで働いていて。たまたま声かけてもらった…という感じです。修平さんは、何のお仕事をされているんですか?」
「僕はAIを使った営業ツールの会社で一応役員をしていて」
「そうなんですね。すごい」
お互いの仕事の話をし、盛り上がった。美波は現在、個人事業主で美容系のコンサルをしているらしい。
「すごいですね。僕、美容系はさっぱりで」
「そうなんですか?肌とか綺麗ですし、気を使っているのかと」
「化粧水とクリームを塗るくらいですよ」
そんなことを話しているタイミングで、会が終わりそうになったので、僕は慌てて美波の連絡先を聞く。
「あの…良ければ、連絡先とか聞いてもいいですか?」
「もちろんです」
そして、僕自身も驚いたけれど、気がつけばこんなことを口にしていた。
「良ければ、今度ご飯へ行きませんか?」
一瞬、驚いた顔をした美波。でもすぐに、笑顔になった。
「もちろんです。いつがいいですか?」
「来週の金曜日とかどうですか?」
「いいですね」
「じゃあお店、探しておきますね。嫌いな物とかありますか?もしくは、食べたい物など」
「何でも食べられます。でもあえて言うなら…焼き鳥とか?」
「わかりました!良い感じの焼き鳥屋さん、探しておきますね」
こうして、すんなりと初デートの予定が決まった。
◆
そしてデート当日。この日、僕は結構気合を入れて挑んだ。なぜなら、今の僕は真剣に彼女を探しているから。
― 美波は、どう思っているんだろう。
そんなことを思いながら、デート現場へと向かう。
「お待たせしてすみません」
「いえいえ。僕も今来たところなので」
5分前に到着していた僕。オンタイムにやってきた美波を笑顔で迎えて、楽しいデートが始まった。
予約をしていた焼き鳥屋さんのカウンター席で二人、肩を寄せ合いながら色々と話した。
「なるほど、美波さんは独立されたばかりなんですね」
「そうなんです。昨年まで、アパレル系の会社に勤務していたんですが、自分でやりたい欲が芽生えてきて」
「すごいですね」
お互い、まだ敬語が抜けない。でも、この距離感も良かった。
「失礼ですが、美波さんって今おいくつなんですか?」
「私は、27です」
「え、若っ」
若そうだなと思っていたものの、想像よりさらに若かった美波。
「どっちの意味ですか(笑)。ちなみに修平さんは、おいくつですか?あと……独身ですか?」
急な質問に、思わず面食らう。でも、もちろん独身だし、未婚だ。
「え、もちろんです。既婚者だったら、女性と二人でご飯とかマズいでしょ。ちなみに僕は32歳で、麻布十番でひとり暮らし中。出身は川崎で、次男。現在彼女募集中です」
たしかに、共通の知り合いはほぼいない。嘘をつこうと思ったらつけるのかもしれない。だから安心させるべく、なるべく多めに情報を開示した。
すると、美波はクスッと笑った。
「修平さんって、真面目なんですね。誠実さが伝わってきます。そして詳しいプロフィール、ありがとうございます」
急に褒められ、思わず照れ臭くなってしまったのでちょうど出された名物の「親子丼」を食べる。
「ちなみに美波さんは…?独身ですか?」
「もちろんです。絶賛、彼氏募集中です。私は横浜出身、現在は祐天寺でひとり暮らし中です」
「そうなんだ!良かった」
「良かったってなんですか」
そう言いながら美波が笑うので、僕も思わず笑ってしまった。
「じゃあお互い独身で、彼氏彼女募集中ってことですね」
「そうですね。修平さん、最近何か良い出会いとかありました?いえ、出会っていますか?」
「全然ですよ。だから前回、美波さんに初めてお会いした時に久しぶりにいいなと思って」
「嬉しい。ありがとうございます」
こんな感じで、デートはとても順調に進んでいた。
そしてこのデートの間に、僕たちはもう次のデートの日程まで決めていた。
「桜が綺麗に見える店があるので、次はそこに行きませんか?」
「いいですね。いつがいいですか?」
「散る前に行きたいので…来週火曜か水曜あたりはどうですか?急すぎます?」
「全然大丈夫です。来週水曜にしましょうか」
こうして、日程まで決まったし、時間も決めていた。
今思い返しても、このデートで僕は粗相もしていないし、ちゃんと適度な距離感も守っていたから、嫌な思いはさせていないと思う。
それなのに、デート前日になって急に未読スルーで、結局はドタキャンとなった美波。
果たして、彼女は何を考えていたのだろうか…?
▶前回:「なぜ2回目がなかった?」年下女性との初デートで、44歳男性が陥った“恥ずかしい勘違い”
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:4月5日 日曜更新予定
女がデートをドタキャンした理由は?

