◆コスト高が飲食チェーンの再編を促すかも?
「ガスト」や「から好し」を運営するすかいらーくホールディングスも大量の食用油を使っています。好調な「資さんうどん」も人気メニューは「肉ごぼ天うどん」であり、サクサクのかき揚げなどの揚げ物には定評があるブランド。すかいらーくの業績は極めて堅調です。2025年度は2桁の増収営業増益でした。2026年度は7%の増収、9%の営業増益を予想しています。ただし、売上総利益率は66.7%で、0.7ポイント下がりました。主力のガストでは値上げが続いており、高単価路線へと歩みを進めています。とはいえ、わずかに粗利が下がっていることから、価格転嫁が間に合っていない可能性もあります。原材料の更なる高騰は価格転嫁を加速させるか、利益率の低下につながりかねません。
ここにきて、すかいらーくは大胆な一手を打ちました。定食チェーンの「しんぱち食堂」を110億円で買収したのです。この会社は「炭火焼干物定食しんぱち食堂」「和めし処しんぱち食堂」を運営する会社で、都市部の繁華街を中心に出店しています。すかいらーくは、主力のガストが高級路線へと舵を切る中、一部の店舗を「資さんうどん」へと転換しています。低価格で集客力が強いためです。しんぱち食堂もファミリーレストランよりは割安。すかいらーくは、都市型・割安型の店舗を取得して事業ポートフォリオを強化しました。
すかいらーくのコングロマリット化はインフレを背景として進みました。「資さんうどん」を買収したのが2024年10月。ガストのような主力業態は価格転嫁を進めなければ生き残りが図れない一方、集客力は少しずつ失われています。低価格路線の業態がその受け皿として働いているのです。食用油の高騰などコスト高が進行すると、飲食業界の再編は活発化するのかもしれません。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

