今週のテーマは「デートの約束をしていたのに、女が急にドタキャンした理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:2回目のデート直前に未読スルー。彼女がフェードアウトした理由とは
― 修平:明日のデート、予定通りで大丈夫ですか?
修平から来たLINEを見て、私はどうしようかと悩む。いい人だったし、特に悪い点も見当たらない。
でも、逆にそれが引っ掛かっている。
「どうしようかな」
そう思いながら、私は一度スマホを置いた。
既読をつければいいけれど、既読をつけたら返信をしないといけない。そう考えると気が重くなる。
「うん…どうしようかな」
もう一度考えた結果、私は既読をつけないことにした。
そして、明日のデートは、修平には申し訳ないけれど、フェードアウトさせてもらうことにした。
修平と出会ったのは、異業種交流会だった。友人が働いているコワーキングスペースが主催していた会に、私は興味本位で参加した。
そこにいたのが、修平だった。
優しそうな雰囲気を醸し出している修平。なんとなく話すことになったのだけれど、全く嫌な感じはしない。
「じゃあ美波さんも、僕みたいに友人に誘われて参加したんですか?」
「そうです。私の友人がここで働いていて。たまたま声かけてもらった…という感じです。修平さんは、何のお仕事をされているんですか?」
「僕はAIを使った営業ツールの会社で一応役員をしていて」
「そうなんですね。すごい」
仕事もちゃんとしているし、役員ならば多少の稼ぎもあるだろう。
そんなことを考えながら話していると、異業種交流会の終了時間が近づいてきてしまった。
するとそのタイミングで、修平が連絡先を聞いてきた。
「あの…良ければ、連絡先とか聞いてもいいですか?」
「もちろんです」
彼氏募集中の身としては、こんなふうに連絡先を聞いてくる人は大事にしたい。
そう思っていると、修平はちゃんとデートにも誘ってきてくれた。
「良ければ、今度ご飯へ行きませんか?」
修平がグイグイ来るようなタイプには見えなかったので、少し驚いた。でも同時に、嬉しくもなる。
デートに誘ってくるということは、見た目やフィーリングなどの第一関門は突破した、ということだろう。興味のない人と二人でご飯へ行こうなんて思わないはずだから。
だから私も、笑顔で返す。
「もちろんです。いつがいいですか?」
そして善は急げと、私は日程をFIXしにいくことにした。
「来週の金曜日とかどうですか?」
「いいですね」
「じゃあお店、探しておきますね。嫌いな物とかありますか?もしくは、食べたい物など」
「何でも食べられます。でもあえて言うなら…焼き鳥とか?」
「わかりました!良い感じの焼き鳥屋さん、探しておきますね」
彼氏は欲しいから、チャンスがあれば掴みに行く。
そう思っているから、修平とのデートは前のめりだった。
◆
デート当日、修平が予約をしてくれていた、虎ノ門の焼き鳥屋さんへと向かう。
でもこのデートを終えて、「人を好きになるって難しいな」と思うことになる。
彼が悪いわけではないのだが、なんともいえない微妙な感じで初デートが終わってしまったのだ。
修平が予約してくれていたのは、虎ノ門の焼き鳥屋さんだった。私が到着すると、修平は既に席に着いていた。
私を見るなり、一度立ち上がって迎えてくれた修平。この辺りで、彼の人柄や育ちの良さが伝わってくる。
ささみを鳥皮で巻いて海苔に乗せたつまみも美味しく、楽しいデートの予感がしていた。
そして焼き鳥を食べ始めてからも、修平はずっといい人だった。
「なるほど、美波さんは独立されたばかりなんですね」
「そうなんです。昨年まで、アパレル系の会社に勤務していたんですが、自分でやりたい欲が芽生えてきて」
「すごいですね」
そんな話が進んでいく。すると、急に修平が年齢のことを聞いてきた。
「失礼ですが、美波さんって今おいくつなんですか?」
「私は、27です」
「え、若っ」
「どっちの意味ですか(笑)。ちなみに修平さんは、おいくつですか?あと……独身ですか?」
修平が突っ込んだ質問をしてきたので、私もいいだろうと思い、気になっていたことを聞いてみた。
左手の薬指に、指輪をしていないことは確認済み。だけど、今現在誰かいるのか、いないのか…ちゃんと確認しておきたい。
すると、修平はとても丁寧に答えてくれた。
「え、もちろんです。既婚者だったら、女性と二人でご飯とかマズいでしょ。ちなみに僕は32歳で、麻布十番でひとり暮らし中。出身は川崎で、次男。現在彼女募集中です」
この回答から、修平の性格がよくわかった。
その真摯な感じが良くて、思わず微笑んでしまった。
「修平さんって、真面目なんですね。誠実さが伝わってきます。そして詳しいプロフィール、ありがとうございます」
名物の「親子丼」を食べながら、なんだか心がほっこりする。
「ちなみに美波さんは…?独身ですか?」
「もちろんです。絶賛、彼氏募集中です。私は横浜出身、現在は祐天寺でひとり暮らし中です」
なんだか、お見合いみたいになってきた。
「そうなんだ!良かった」
「良かったってなんですか笑」
お互いにふふっと笑ったけれど、ここからも、修平とのデートは凪のようだった。
「じゃあお互い独身で、彼氏彼女募集中ってことですね」
本来ならば、ここでもっと盛り上がるのかもしれない。でも修平とは、どうもそういう感じにならない。
だから平気で、他の人のことなんかも聞けてしまう。
「そうですね。修平さん、最近何か良い出会いとかありました?いえ、出会っていますか?」
「全然ですよ。だから前回、美波さんに初めてお会いした時に久しぶりにいいなと思って」
「嬉しい。ありがとうございます」
ただ、どうなのだろう。修平はとてもいい人だし、彼氏にするには最適なのかもしれない。
でも心がめちゃくちゃトキメクわけでもなく、「この人、いい♡」という感情が湧いてくるわけでもない。
― 何がダメなんだろう。好きになれたら最高なのに。
そう思っていると、修平が次のデートの約束を持ちかけてきてくれた。
「桜が綺麗に見える店があるので、次はそこに行きませんか?」
「いいですね。いつがいいですか?」
「散る前に行きたいので…来週火曜か水曜あたりはどうですか?急すぎます?」
「全然大丈夫です。来週水曜にしましょうか」
この時は、行く気だった。
でもこのデート解散後…いや、時間が経つにつれてどんどん次のデートが面倒になってきてしまった。
悪い人ではないし、明確に嫌なところがあったわけではない。だからハッキリと断るのもなんだか申し訳ない。
― でも…もう一度会って、何の話をするんだろう。
その時間があるなら、次に他の人と会っている方がいい気もしてきた。
そう思っていると、どんどん腰が重くなっていき、何となくフェードアウトになってしまった。
東京では、出会いが無数にある。「何か違うかも」と思っていると、別の良い人が現れては消えていく。
“特に何も悪くない。けど、何かが違う”。それが、修平に対する答えで…。何も悪くないからこそ、断る理由もなく、急遽こちらがフェードアウトになってしまった。
▶【Q】はこちら:2回目のデート直前に未読スルー。彼女がフェードアウトした理由とは
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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