
夫婦がそれぞれ互いの能力を最大限に発揮する「家庭の全体最適」という観点から、妻をサポートすることを決めたという吉岡さん。後編では、
- ・「男が稼ぐ」という思い込みを捨てる
- ・働き方に理解のある取引先を見つける
- ・「売上目標のみを追う仕事」は受けない
- ・自身が目指す地点に立ち返る
など、主夫業と仕事の両立に向けた「譲れないポリシー」について掘り下げる。
◆「男が稼ぐ」という思い込みを捨てる
28歳で妻の妊娠が発覚、育休を機に自身の価値観を見直しフリーランスへと転身した吉岡さん。退職前は広告関係の仕事につき、収入も一般水準よりは高めだったという。「イクメン」というと聞こえはいいが、仕事から家事優先の生活への切り替えにあたり、初めの頃は葛藤があったと明かす。
「出産の時期には退職の意思はほぼ固まっていましたが、どんな形であれ、仕事を辞めるのは『逃げ』のようにも思いました。自分自身、『男なのに稼がないのはどうなんだ』という気持ちも強くて……。ですが、NPOの運営など会社員時代はできなかった経験ができているという実感が重なり、『この判断は間違っていなかった』と1年ぐらいかけて徐々に思えるようになっていきました」
◆働き方に理解のある取引先を見つける
「家事・育児のメイン担当になる」という明確な意思を持ってフリーランスに転身したという経緯から、最も大切にしているのは、自身の働き方に理解のある取引先を見つけることだという。「コアワークタイムは『10~17時』と決め、ほかの時間帯には基本的に仕事は入れません。たとえば保育園のお迎えなどで早い時間に仕事を引き上げなければいけない場合は、あらかじめそれを取引先に伝えるようにもしています」

「会社を辞めたときは正直何のあてもなく、『とにかく一度、自分の直感を信じてみよう』と一旦フリーランスになった状態でした。それが会社を辞めたと知ってから、知り合いが『障害者事業をやりませんか?』と声をかけてくれたり、前職の取引先が共創施設の組織開発の仕事に誘ってくれたりした。自分がやりたいことを持ってというよりは、関係性の中で『助けたい人たちを助ける』という働き方をしています」

