今回は、子ども連れで電車に乗っていた際に、強い言葉を浴びせられたという2人のエピソードを紹介する。
◆母子を襲った突然のトラブル

「運よく座れたので、ホッとしました」
息子を膝に乗せ、窓の外を眺めさせながらひと息ついた。隣には50代くらいの女性が座り、イヤホンをつけてスマートフォンを見ていたそうだ。息子は機嫌がよく、今日あった出来事を小さな声で話していたという。すると……。
「いないいない……」といった息子が体をひねり、隣の女性に向かって「ばあー!」と顔を近づけてしまったようだ。
井口さんは「すみません」と言い、すぐに息子を引き寄せて頭を下げた。
「よくあることだし、軽く流してもらえると思っていたんですが……」
◆車内に響いた“信じがたい暴言”の瞬間
女性はイヤホンを外し、露骨に眉をひそめた。そして、車内に響く声で言い放ったのだ。「なにこの子、気持ち悪~い」
空気が凍り、周囲の視線が集まった。息子は意味を理解していない様子だったが、井口さんの胸の奥は一気に熱くなった。
「まだ3歳なんです。だから絶対に悪気があったわけじゃないんですよ。怒りが込み上げましたが、声には出しませんでした」
そして井口さんは「申し訳ございませんでした」と、もう一度頭を下げると女性は舌打ち。わざとらしく席を立って隣の車両へ移っていった。
息子を抱きしめながら、井口さんは唇をかみしめていた。窓の外を無邪気に眺める横顔を見るほど、“怒りと悔しさ”が消えなかったという。

