きっと誰もが持っている「定番」は、身に着け方、使い方に、その人のセンスと美意識が表れる。それを選んだ理由、重ねた時間…… 長く愛されるアイテムを、どう自分らしく着こなしているのか。&Premium149号(2026年3月号)「これからの、スタンダード」より、スタンダードを自分のスタイルへと昇華させる装いのアイデアと楽しみ方を〈YAECA〉設立者の服部 恭子さんに聞いた。

ナバホ族のバングルとリングを身に着ける服部恭子さん。敬愛するアメリカの女性画家ジョージア・オキーフの佇まいに憧れ探していた10年ほど前にアメリカのヴィンテージショップで出合った。「通常よりやや小ぶりなサイズ感も珍しく、運命を感じました」。デザインは、あえて石がついていないシンプルなものを選ぶ。「ターコイズがあしらわれたものも素敵だけれど、私には少し意味が強いというか、主張になりすぎてしまう気がして。石のないシルバーは、生き方を語りすぎず、それでいて確かな存在感があるんです。ひとつで潔く着けるのも好きですし、気分で重ねることもあります」という服部さん。ただし、他のジュエリーと競わせることはしない。インディアンジュエリーを主役に、堂々と。白から黒、そして茶やネイビーへと絞ったワードローブに、太めのシルバーが映える。「Tシャツとデニムにも、ドレスにも馴染む。派手だけど地味で、懐が深いんです。年齢を重ねるにつれ、しっくりくるようになりました」

Kyoko Hattori〈YAECA〉設立者
2002年に〈YAECA〉を設立。『YAECA 恵比寿』『YAECA APARTMENT STORE』『YAECA HOME STORE』『YAECA CA JITSU』の企画運営を担当。シンプルで長く着られる日常着や暮らしの道具などを提案している。
photo : Yudai Emmei illustration : Shapre text : Shoko Matsumoto
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NEW STANDARDS / これからの、スタンダード。&Premium No. 149
これからの私たちの「もの選び」は、どのように変わっていくのでしょう。暮らしの道具や日々の装いにおいて「本当に必要なもの」を問い直すとき、まず浮かぶのが「スタンダード」という基準です。一時的な流行を追うのでなく、いつまでも着たい、使いたいと思えるもの。つくりのよさ、機能とデザインが生む美しさ、そして作り手の心が伝わるもの。しかし、センスのいい大人たちは「定番だから」という理由だけで、ものを選んでいるわけではないようです。もう一歩先に踏み込み、自らの感覚を物差しにして摑み取っているのは「これからの、スタンダード」。すでにスタンダードになっているものを深く知り、ときには失敗を重ね、時間をかけて使い続け、本当に信頼のおけるものと出合う。そういった丁寧な歩みこそが人それぞれのBetter Life をかたちづくるのだと&Premiumは思います。未来の定番を見つけ出すために必要なのは「自分を知る」こと。心地よくて誠実な「スタンダード」探しの入り口は、ここにあります。
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