自民党総裁選が2025年10月4日に投開票され、高市早苗前経済安保担当相が小泉進次郎農水相との決選投票を制して、新総裁に選出された。

右派系の野党は、石破茂首相に対する態度からは一転、高市氏に友好的な反応を見せている。
「基本的な考え方の合う政党」と連立を組む
高市氏の勝利を受け、早速自身のX(旧Twitter)で反応したのが参政党の梅村みずほ参院議員。次のように非常に好意的なメッセージを送った。
「参政党と重なる公約を数多く掲げていらっしゃった高市議員の勝利を心より嬉しく思います。 私たちも日本と日本人の益となる政策に関しては協力を惜しみません」
同党の神谷宗幣代表も談話を発表。
「参政党とは政策が近く、期待をもってこの結果を受け止めている。国益にかなう政策には協力を惜しまないつもりだ」
と、主張が近いことを認めた。
日本保守党の百田尚樹党首もXで「まずは『おめでとう』を申し上げます」とやはり祝福。そして、こう投稿した。
「彼女が前向きに考えている『スパイ防止法』の制定を推し進めるなら、日本保守党は協力を惜しみません。ただ、『減税』『再エネの見直し』『移民政策の見直し』をやらないなら、自民党に対しては厳しく追求していきます」
是々非々であることを示しつつも、これまでの石破首相と比べると友好的な内容だった。
さらに石破首相にXで「醜く奇妙な生き物」と侮辱的な言葉を浴びせていた同党の北村晴男参院議員も、高市氏に対しては石破首相に対する態度とは180度違った反応を見せた。
「おめでとうございます!!明日から、NHKを含めた左派メディアからの理不尽な攻撃が始まりますが、平然と笑顔で信念を貫いて下さい」
高市氏は9月28日、YouTube番組で参政党や日本保守党との連携を問われた際に、こうコメントしている。
「この政策だったら一緒にやれるということを協力していくのは、立法府全体の責任だ」
さらに新総裁選出後の記者会見では「相手のあることで、どことは申し上げないが、基本的な考え方の合う政党。憲法改正、外交安全保障、財政などに関する議論をした上で、お互い納得し、そういう形ができたらいいと思う」と説明。名指しはしなかったが、連立の可能性に含みを持たせた。
公明党は「今の段階では何とも申し上げることができない」
この他、日本維新の会の吉村洋文代表は、連立政権への参加について「正式に打診があれば協議するのは当然だ」と言及。国民民主党の玉木雄一郎代表は「政策協議の要請があれば、しっかり向き合っていきたい」と述べた。
維新については、連立参加が遠のいたとみる向きも。維新の元政調会長、音喜多駿氏は10月4日にXで、
「自民と維新の連立話はいったん白紙で、見通しが一気に不透明になった」
と書いている。
一方で、その動向が注目されるのが、これまで長く自民党と連立政権を組んできた公明党だ。同党の斉藤鉄夫代表は高市氏との会談終了後、報道陣に対して「政策協議で一致すれば連立政権ということになるが、今の段階では何とも申し上げることができない」と述べ、連立離脱の可能性も示唆。靖国神社の参拝に対して高市氏に懸念を伝えたことを明かした。