
階段の昇り降りですぐに息が切れる、やたらとため息が多い、気づいたら息が止まっていた⋯⋯もしかしたらそれは、呼吸が浅くなっているサインかも。環境が新しくなる4月は、緊張やストレスの影響で呼吸が浅くなりやすいときです。呼吸が浅くなると「隠れ酸欠」となり、慢性疲労や頭痛、肩こりなどの原因にも。東洋医学で深い呼吸をとり戻しましょう。
自分では気づきにくい呼吸の浅さ。セルフチェックで確かめよう

4月に入って環境が変わり、毎日忙しくててんてこ舞い。追われるように過ごしているうちに、気づいたらオフの時間も緊張感が抜けないままだった⋯⋯なんてことはありませんか?
ストレスや緊張が続くと、呼吸が浅くなりがちです。自律神経が「活動モード(交感神経優位)」の状態になったままになると、全身の筋肉や血管が収縮し、呼吸も浅くなってしまうのです。
しかも、緊張状態にあるときほど、自分自身の呼吸が浅くなっていることになかなか気づくことができません。忙しさに意識が向いていると、自分の体の小さな変化は見落としやすいものです。しかし呼吸が浅い状態をそのままにしていると「隠れ酸欠」となり、慢性疲労や頭痛、肩こりなどにもつながることが。まずは自分の呼吸の状態をセルフチェックしてみましょう。
◉呼吸の浅さセルフチェック
①背筋を軽く伸ばして座り、肩の力を抜きます。その状態で、普段通りの自然な呼吸を2〜3回繰り返します。
②その流れで自然に息を吸い込んだら、口から細く長く息を吐き出して、どれくらい続くかを計測してみましょう。
・10秒以上⋯⋯正常
・5~10秒⋯⋯少し呼吸が浅くなっている状態
・5秒未満⋯⋯呼吸が浅く、特に吸い込む力が弱くなっている
なお、呼吸が浅くなっている場合、次のような状態が見られることも多いです。
☑無意識にため息をつくことが多い
☑のどになにか詰まっているような違和感がある
☑気がつくと肩が上がって、食いしばっている
☑以前より息切れがしやすくなった
☑ふとしたとき「息を止めていた」と気づく
気になる項目がある場合は、東洋医学で緊張やストレスによる心身のこわばりをほどいて、深い呼吸を促してみましょう。
緊張やストレスによるこわばりをやわらげる、胸周りのストレッチ

東洋医学では、体じゅうを常に「気(き=エネルギー)」がめぐり続けていると考えられています。気がめぐることで血液も体じゅうをめぐることができ、水分代謝も順調に行われ、諸臓器が健やかに活動しつづけることができるのです。
しかし緊張状態やストレスが続くと、この気のめぐりが滞りやすくなります。すると、横隔膜や肋骨の間あたりで気がつかえやすくなり、胸周りの筋肉がこわばるように。呼吸が浅くなったり胸が苦しくなったり、わき腹が張るようになったりします。気のめぐりは五臓の「肝(かん)」の働きによって生まれていますが、更年期になると肝の働きが低下しやすく、緊張やストレスによる気の滞りも起こりやすくなるため、呼吸が浅くなるケースも多いのです。
さらに長期にわたって気が滞り続けると、滞った気が熱を持ちはじめ、その熱が頭部へと上昇。気のめぐりも上向きの流れが強くなるため、胸より上の肩で呼吸をするようになり、さらに呼吸が浅くなってしまいます。
こうした緊張やストレスによる呼吸の乱れや胸苦しさを感じたときは、胸周りのストレッチをするのがおすすめ。気がついたときに次のストレッチを行ってみてください。
◉わき腹の深呼吸ストレッチ
①椅子に座って両腕を上に伸ばし、左手で右の手首を軽くつかみます。
②息を吐きながらゆっくりと上体を左に倒し、右のわき腹から肋骨のあたりが心地よく伸びるのを感じながら、3回深呼吸しましょう。反対側も同様に。
◉胸開きストレッチ
①椅子に浅めに座って両足を床にしっかりつけ、両手を背中の後ろで組みます。手が届きにくい場合は、椅子の背もたれの両端をつかみます。
②鼻からゆっくり息を吸いながら、左右の肩甲骨を中央に寄せ、あわせて胸を上に向けるように軽くそらせます。
③口から細く長く息を吐きながら、組んだ手の力を一気に抜き、肩の力をストンと落としましょう。

