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観客150人全員が“人形”…「入浴中の全裸女性」まで再現した、愛知の知られざる異空間

観客150人全員が“人形”…「入浴中の全裸女性」まで再現した、愛知の知られざる異空間

全国各地にある廃鉱山の観光坑道、伊豆の蝋人形美術館や熱海秘宝館、上野のオリエント工業ショールームなど、素材はそれぞれ異なるものの、リアルな等身大人形には独特の「間」がある。

人間そっくりで、今にも動き出しそうで動かない(たまに首が180度、360度回るものもいる)人形がいるだけで、そこは時間の流れが止まった不思議な空間となるのだ。この奇妙な違和感はまさに異空間であり、つい目が釘付けになる。

愛知県高浜市の吉浜地区(旧吉浜村)、名鉄三河線「吉浜駅」から歩いてすぐの場所にある「高浜茶屋 吉貴」もまた、この等身大人形が100体以上も大集合していて、とんでもなく不思議な空間となっている。

高浜茶屋 吉貴
外観

◆豪華な人形で彩られた1階

名鉄三河線(海線)の吉浜駅から徒歩3分。2階建てのファミレスぐらいの大きさの建物が「高浜茶屋 吉貴」だ。

高浜茶屋 吉貴
1階の民芸品ショップ&無料休憩スペースにある花魁道中
1階は民芸品の販売と無料の休憩スペースだが、ここにも既に等身大人形が15体以上。華やかに着飾った江戸時代の花魁4体と肩貸しの若衆による花魁道中が再現されていて、記念撮影もできる。勇壮な甲冑姿の武将の展示や、刺青を入れた若衆の人形もあり、美女と野獣ではないけれど硬軟取り揃えた内容となっている。

◆江戸の芝居小屋を再現した2階

高浜茶屋 吉貴
2階の舞台。「二人道成寺」のシーン。舞台上のものまで数えると、等身大人形は150体近く!?
見ものなのは2階の有料スペースだ。香川県に旧金毘羅大芝居「金丸座」という天保6年(1835年)に建てられた、現存する芝居小屋としては日本最古で、国の重要文化財に指定されているのだが、それが当施設のモデルになっている。

ここを作った吉浜地区の人形師・花雲斎紫峰(かうんさいしほう・1918〜2003・本名 神谷留次)は、根っからの歌舞伎好き。吉貴の運営は娘(現オーナーの神谷京子さん)に任せっきりで、遊んでばかりいたそうで、金丸座にもしょっちゅう通っていたとか。着物を着て人力車で行くから、「また役者に間違われたよ」と自慢げに言っていたらしい。

高浜茶屋 吉貴
舞台を正面に向き合った場合、右手の桟敷部分。1階には殿様や姫様、よく見ると人形師・花雲斎紫峰がちゃっかりカメオ出演している
正面に舞台があり、その前には「平場」という畳敷きの観覧席。平場の左右に東桟敷・西桟敷があり、それぞれ1階席と2階席が設けられている。金丸座は普段は客をいれなければ無人なのだが、吉貴は違う。

桟敷席には既に1階も2階も観覧客で溢れている。なんと、それがすべて等身大人形。江戸時代の歌舞伎小屋にまんまタイムスリップした感じだ。この観覧している人形が、血色の良い殿様や美しい姫様も入れば、町人、鋭い眼光の茶人もいたりして、見応えたっぷり。中には、人形を作った紫峰本人がちゃっかり紛れ込んでたりして、茶目っ気たっぷりだ。


配信元: 日刊SPA!

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