◆2歳女王と上がり馬が激突する“本命対決”の構図

母に10年前のオークス馬シンハライトを持つアランカールは、昨年7月に福島でデビューすると、新馬戦と野路菊Sを連勝。類まれなるスピードと瞬発力を見せつけ、一躍牝馬クラシック路線の主役候補に躍り出た。
3戦目の阪神JFで堂々の1番人気に推されたアランカール。レース序盤はポツンと離れた最後方を進むと、勝負どころで脚を使って中団に押し上げるややチグハグな競馬。結局、最後の直線で伸びを欠き、5着に敗れて評価を落とした。
そして迎えた年明け初戦のチューリップ賞。武騎手に乗り替わり、再び1番人気に支持されたが、3着まで。それでも武騎手は「次につながるレースはできました」とコメントしており、前哨戦としては悪くない内容だった。
父エピファネイア、母シンハライトと血統的には桜花賞よりもオークス向きだろう。それでも素質の高さは間違いなく、ここをあっさり勝っても驚けない。
1週前追い切りに跨った武騎手も「使われての上積みもあり、今回の方が動けると思います」と自信を口にしている。武騎手としても昨年の宝塚記念以来となるG1制覇をつかみたいところだろう。
◆名手・武豊に付きまとう“牝馬G1大型連敗”の不穏データ
しかし、そんな鞍上にはある不安が付きまとう。武騎手はここ10年ほどを見ても、キタサンブラックやドウデュースなどとのコンビで多くのG1を制している。ただ、牝馬でのG1制覇はかなり遠ざかっているのが現実だ。
武騎手が牝馬で最後にJRAのG1を勝利したのは、なんと2009年の安田記念まで遡る。その時の相棒は女傑ウオッカ。このコンビは2008年の天皇賞・秋と2009年のヴィクトリアマイルも制しているが、ウオッカと制した安田記念以降、武騎手はダービー2勝を含めJRAのG1を20勝しており、そのすべてが牡馬とのコンビで挙げた勝利である。その間、牝馬でのG1連敗はなんと大台100を超え、現在は102まで伸びている。
武騎手は当然、牝馬三冠レースも長らく勝てていない。最後の勝利はエアメサイアとのコンビで制した2005年の秋華賞で、桜花賞制覇はその前年の2004年まで遡る(ダンスインザムード)。

