
経理代行や事務作業の受託といった作業中心の働き方は、労働時間の割に単価が上がらず、報酬の頭打ちを招きがちです。この限界を突破する鍵として注目されているのが、「社外CFO(最高財務責任者代行)」という仕事。社外CFOとは、税務申告などの「過去の数字整理」を担うのではなく、投資の判断や銀行交渉といった「未来のお金の戦略」を社長の隣でサポートする、いわば“社外の財務部長”のような役割を指します。社外CFOの長友大典氏は、「特別な資格がなくても簿記3級程度の知識があれば、中小企業の社長が抱えるお金の悩みの良き相談相手になることができ、月額50万円といった高単価な契約も現実的」といいます。本記事では、同氏の著書『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』(すばる舎)より、高単価な契約につながる「年商1億〜20億円規模」の企業の見極め方を解説します。
広告やセミナーは不要?営業未経験者が「紹介」で高単価案件を獲得するための大前提
ここからは、実際に見込客を見つけ、アプローチしていく方法についてお伝えします。
「紹介がいいって聞くけど、誰にどう頼めばいいかわからないんですよね」「まわりに経営者があまりいないし……」そんな悩みを抱えている方は、私の講座でも非常に多く見かけます。
その結果、「まずは広告を出さないといけないのでは?」「セミナーを開催して集客しよう」と考え、マーケティングのノウハウやセミナー運営の方法を勉強し始める方も少なくありません。
しかし、現実はそう甘くありません。広告やセミナーの準備に時間とお金をかけたにもかかわらず、思うように申込みが集まらず、「やっぱり難しい……」と感じてしまう。そんな経験をされた方は本当に多いです。
今回は、その”高単価を実現できる顧客“と、どう出会うのかをお伝えしていきます。
「誰でもいいから紹介して」はNG…紹介の成功率を劇的に上げる前提条件
我々のようにマーケティングやセールスのプロではない人が選ぶべきは、シンプルで誰にでも再現できる方法です。つまり、「紹介」です。ただし、紹介をお願いする前に満たしておくべき重要な前提があります。「ターゲットの明確化」です。
「とにかく経営者を紹介してほしい」と頼んでも、なかなかCFO契約にはつながりません。あなたのまわりにも経営者はたくさんいるかもしれませんが、その全員が社外CFOを必要としているわけではないからです。
だからこそ、「どんな会社の、どんな社長をターゲットにするか」をまず明確にすべきです。
狙い目は「年商1億〜20億円」…個人が活躍しやすい企業の規模感
CFOの報酬は企業の年商規模によってある程度決まってきます。月額50万円を狙う場合は、年商1億5000万円以上の企業が目安となります。ただし、ここではさらに「粗利」に注目してください。
たとえば年商1億円でも粗利率が高く、利益構造がしっかりしている会社であれば、CFOの報酬を十分に払う余力があるでしょう。逆に、年商が大きくても粗利率が極端に低い業種では、支払い能力が厳しいケースがあります。
実際のターゲットとしては、年商1億円以上、20億円未満の企業がもっともお勧めです。なぜ20億円未満かと言うと、これを超える規模の企業では、すでに社内に財務責任者を抱えていることが多く、社外CFOのニーズが下がってくるためです。
もちろん20億円を超えていても、まだCFOのような存在がいない企業であれば対象になりますが、そういった会社では社長の判断だけでスピーディに決裁される物事が少なくなるため、最初の実績づくりとしては1億〜10億円規模の企業を狙うほうが動きやすいでしょう。
「年商」と「粗利率」の組み合わせで、支払い能力のある企業を特定する
さらに重要なのが「粗利の大きさ」です。我々社外CFOの報酬は、企業の粗利から支払われます。固定費が高い企業でもCFOが関与することで改善は可能ですが、粗利そのものが薄いと、そもそも報酬の支払い原資がありません。
たとえば年商1億円で粗利率100%のコンサルティング業などであれば、支払い能力は十分にあります。反対に粗利率20%以下の製造業や飲食業などでは、報酬を確保するためにほかの工夫が必要です。つまり、「年商」だけではなく「粗利率」も合わせて判断するのが、正しいターゲット選定のポイントとなります。
まずは、このゾーンに該当する企業を具体的にイメージしてみましょう。ターゲットの業種、規模、利益構造などを事前にイメージすることができれば、「誰に紹介をお願いすべきか」も自ずと見えてくるはずです。
長友 大典
中小専属CFO養成アカデミー 主宰
社外CFO・財務コンサルタント
有限会社トークファイブ 代表取締役
