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気持ちのリセットは髪を切るより「刺青」。いじめによる不登校、“17歳での中絶”を乗り越えた32歳女性の「自分らしい生き方」

気持ちのリセットは髪を切るより「刺青」。いじめによる不登校、“17歳での中絶”を乗り越えた32歳女性の「自分らしい生き方」

◆中学時代に経験した孤立といじめ

シオンさんが「刺青と直接関係ないですけど」と言いながら話してくれたエピソードのなかに、彼女の原体験に触めるものがあったように筆者は感じた。たとえば中学時代に経験したいじめ。初めての彼氏から2股をかけられていたことに端を発する。

「もう片方の女の子に『私も付き合っている』と伝えたら、その子がスクールカースト上位の女の子を使って、『無視しろ』とみんなに命じたようです。廊下を普通に歩いているだけで悪口を浴びせられたり、誰も私と関わろうとしなくなりました。当時、私は剣道部の部長をしておりましたが、部活の際に指示を出しても誰も従わず、散々な状況でした。帰る頃になると自然と涙が溢れてきて、精神的に限界を迎えているのが自分でもわかりました。そのあと、不登校になっています」

いじめの事実を重く受け止めた母親が学校側に掛け合ってくれたが、まったくの逆効果だったという。

「いじめの主犯格の子と話し合いをする席が設けられましたが、これが火に油を注ぎました。当時流行していた前略プロフィールがめちゃくちゃに荒らされたりして、事態が収束することはなかったんです」

結局、シオンさんは同じ市内の別の中学校に転校することになった。

「転校先の学校ではうまく馴染むことができました。そこでも剣道部に所属して、前の学校と対戦した際には容赦なく叩き切りました。酒やタバコも覚えて悪い仲間も増えたけど、楽しかったですね」

◆苛烈な恋愛の果てに、妊娠が発覚…

その後、高校に入学すると「素行のよろしくない仲間」も増えた。最も心を痛めたのは中絶経験だろう。

「高2のとき、当時流行していたmixiで知り合った彼氏でした。おじいちゃんから代々暴走族という家系で、地元で恐れられるほどのワルでした。漢気がある反面、非常に束縛が激しい人でもありました。たとえば男女2人ずつで泊まりで遊んだとき、なぜかそのことが彼氏に伝わっていて、数日すると急に電話がかかってきました。『今からお前の男友だちをボコボコにするけど、来る?』と言うんです。私は行きませんでしたが、その後、一緒にお泊りをした男友だちが怪我で病院送りになったと聞きました」

疑り深く、信用してもらえない。そんな日々に辟易していたシオンさんは、ついに別れを切り出した。だがその後、すぐに妊娠が発覚。母親に相談し、「『責任を取る』と言われても困るから」と彼氏には告げずに堕胎した。そのときも母親はシオンさんの気持ちに寄り添ってくれたという。

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これからの展望について、シオンさんは「緊縛のショーや被写体モデルとして活躍したい」と話す。現在は固定給で働きながら副収入としてイベントに参加しているが、いずれエンターテイメントの世界で食べていけるようになるのが目標だ。何かと気を揉んできた母親に、彼女がありのままで感謝を告げられる日が来ると良い。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
配信元: 日刊SPA!

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