◆闇民泊にとどまらぬ又貸し疑惑も
![[晴海フラッグ]ゴースト化の舞台裏](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2025/10/1759710089578_x9o5zepd41.jpg?maxwidth=800)
「夜になると、どこからともなくメークをばっちりキメた女性が現れ、白タクに乗っていく。“夜の店”の寮でもあるのではないかと勘繰っています。中国人による占有は共用部分にも及んでおり、とりわけひどいのがキッチンがついたパーティルーム。入居者は予約すれば利用できるのですが、予約はやたら埋まっていて、中国系の集団が利用していることが多い。どうやら、所有者が予約し、部外者に又貸ししているようなのです。運良く予約が取れてワインパーティをした時も、前の利用者が調理した火鍋か麻辣湯の匂いが部屋にしみついていて、げんなりしました」
羨望の街として中央区に生まれたニュータウンに、早くも暗雲が立ち込めているのだ。
◆「中国人投資家の注目は他のエリアに移っている」
![[晴海フラッグ]ゴースト化の舞台裏](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2025/10/1759710089577_0wz7em1de62j.jpg?maxwidth=800)
「実際に住んでいる我々と、インバウンドで来る旅行者を一括りにしないでほしい。闇民泊や白タクは恥でしかないし、見かけた際には中国系住民のSNSコミュニティで情報を共有し、追い出すよう協力しています。先日も闇民泊業者を警察に通報し、取り締まりを促す様子が小紅書(RED)に掲載されたほど」
結果として起きているのは「中国人投資家の晴海フラッグ離れ」だ。中国事情に明るいジャーナリストの周来友氏が語る。
「日本の不動産バブルを牽引しているのは間違いなく中国人投資家。ある投機筋は『晴海フラッグを所有する3分の1は中国人』と言うほど、買い占められています。ところが、晴海フラッグはいざ居住が始まると、交通の便が悪いことに加え、『地震が来たら怖い』と感じる人が増え、敬遠されるようになった。日本の不動産自体に興味は失っていないものの、かつて晴海に向いていた目は今、地盤がしっかりしているエリア、例えば吉祥寺に向いている。この流れが進めば、晴海フラッグはゴーストタウン化が進むのではないでしょうか」
前出の榊氏も指摘する。
「晴海の分譲賃貸は3年や5年といった定期借地で出してるパターンが多いのが特徴なのですが、これは裏を返せば『売りたい』から。現時点では周辺の相場以上の価格で取引されている晴海フラッグですが、ポテンシャルからすれば明らかに高すぎ。投機目的で所有している人の投げ売りが始まれば、価格は一気に落ちるのでは」
五輪が残した遺産が今、大きな岐路に立たされている。
【不動産ジャーナリスト・榊 淳司氏】
購入者側の視点に立ちながら取材を重ねる住宅ジャーナリスト。著書に『マンションは日本人を幸せにするか』(集英社新書)など
【ジャーナリスト・周 来友氏】
中国浙江省紹興市生まれ。1987年に私費留学生として来日し、司法通訳人を経て現職。翻訳・通訳派遣会社も経営する
取材・文/週刊SPA!編集部
―[東京[晴海フラッグ]ゴースト化の舞台裏]―

