
相続放棄してしまったけれど、やっぱり取り消したい…。その場合、あとから「やっぱりやめます」ということは可能なのでしょうか?『もめない遺産相続、失敗しない遺言』(ワニブックスPLUS新書)の著者、杉村政昭氏が死亡保険金の課税関係など詳しく解説します。
Q1. 相続人がいない場合、財産はどうなりますか。
A. この場合、利害関係人あるいは検察官の請求によって、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。遺産はこの相続財産管理人が管理します。
そして、相続人の捜索を行い、最終の捜索公告の期間満了後三ヶ月以内に、特別の関係があった人が家庭裁判所に特別縁故者の申し立てをして認められれば、財産の分与を受けることができます。この特別縁故者とは、被相続人と生活を同じくしていた者、そのほか被相続人の療養看護に努めた者、そのほか被相続人と特別の縁故のあった者のことです。この特別縁故者がいない場合は、全遺産が国に帰属します。
Q2. 預金者が死亡した場合の金融機関の対応について教えてください。
A. 預金者が死亡した場合、預金債権は相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象になります。したがって、金融機関は、単独の相続人からの払い戻しに応じることはせず、遺産分割協議書や金融機関所定の相続届などの書類を求めます。
また、遺産分割前の相続預金の払い戻し制度があります。この制度とは、遺産分割前であっても被相続人の銀行口座から一定金額まで引き出すことができるというものです。詳しくは銀行へ照会してください。
