Q7. 相続放棄の事例
A. 事例を[図表2]で紹介します(この事例では死亡した夫の妻と長男、長女が相続放棄しても負債返済の問題は解決しませんので、要注意です)。
[図表2]相続放棄について
①妻と長男、長女が相続放棄しますが、それでは解決したことになりません。②夫の兄弟姉妹も相続放棄をする必要があります。そうしないと、債権者が兄弟姉妹に取り立てをするためです。
③相続人全員が相続放棄をする必要があるのです。日ごろから相続人は仲良くしておくことです。たとえば、もし夫の妹だけが相続放棄をしなかったら、債権者は妹に取り立てをします。
Q8. 相続放棄をしたが、あとから取り消すことは可能か
A. 相続財産の調査をした結果、借金過多だった場合、相続人は相続放棄をするのがよいと思います。しかし、一旦相続放棄をしますと、あとから取り消すことはできません。
相続放棄すべきか判断に迷った場合は、限定承認をおすすめします。限定承認とは、プラスの財産の範囲内限定でマイナスの財産も相続する手続です。プラスの財産をすべて相続することができますし、仮にマイナスの財産のほうが多かった場合でも、自分の財産を出す必要はありません。
ただし、限定承認という手続は相続人全員の同意がなければ利用できません。注意が必要です。
セミナー講師
杉村政昭
