
花の魅力を届ける人・吉原友美さんが伝えたい“花”は、植物を通じて、今の自分の心と向き合う「今日花(こんにちばな)」というあり方。
花を選び、飾ることは、自分と向き合い、今の気持ちを感じ取る行為。季節を通して今日の自分にまっすぐに向き合う手段としての花が「今日花(こんにちばな)」なのだそう。
そんな吉原さんの日常と花のある暮らしを、吉原さんの言葉でお届けします。
母の日に贈られる花としても知られる、カーネーション。
色によって花言葉が少し変わるようで、私が好きな淡いピンク色は「感謝」だそうです。
毎年、母の日のギフトオーダーをお受けしていると、お母さまの好きな花や色を丁寧に伝えてくださる方が多いなと感じます。
そのひとつひとつの言葉から、「喜んでもらいたい」という気持ちがまっすぐに伝わってきて、母の日は、誰かを想う気持ちのあたたかさに、あらためて気づく日なのだと、毎年感じています。


感謝というと私の中で最近、その意味が少しずつ変わってきたように感じています。
以前は、誰かほかの人に対して「ありがとう」と思うことが、感謝だと思っていました。
もちろんそれも大切なこと。
でも今は、もっと静かで、もっと身近なところにも感謝はあるのだと思うようになりました。
朝、目が覚めること。
夜、お布団に入れること。
その一日の始まりと終わりが、当たり前のように訪れること。
ごはんが食べられることや、雨風をしのげる家があること。
行きたい場所に行けて、会いたい人たちに会えること。
風が気持ちが良いと感じられること。
すべては、自分ひとりで成り立っているわけではなくて、人とのかかわりの中で、自然の中で、環境の中で支えられているものばかり。
花を届け、誰かを想う気持ちに触れる機会が増えたことで、何気ないように思えるひとつひとつが実はとても豊かなこと、そう思うようになりました。
カーネーションを母に贈るとき、自分の日常にも「ありがとう」を。
そんな“今日花”があってもいいのかもしれません。
カーネーションを自分のために フリルのような八重の花びらを楽しむ
カーネーションには「少し懐かしくて特別な日の花」というイメージがあるかもしれません。でも、シンプルに一輪だけいけてみると、そのやわらかな色や、ひらひらとした花びらの重なりが、これまでのイメージとは変わって、暮らしに優しくなじんでくれます。
自分のためにいけるなら、お気に入りの色のカーネーションを数輪だけ、小さな花瓶に挿してみるのもおすすめです。
撮影/吉原友美 編集・文/柳澤智子(柳に風)
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