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「職歴がないから離婚できない」は思い込み?「年収700万円」長年の主婦業が広げるキャリアの可能性

「職歴がないから離婚できない」は思い込み?「年収700万円」長年の主婦業が広げるキャリアの可能性

令和の時代になり、働き方も大きく変化するなかで専業主婦の就職はより難しくなっています。しかし、「主婦業」もキャリアとして用いることができれば、離婚後も安定して収入を得ることができます。『熟年離婚 女性がお金で損をしない本』(河出書房新社)の著者、寺門美和子氏が専業主婦の経験を活かした業種や働き方について解説します。

長年続けた「主婦業」は立派なキャリア

私は、専業主婦の再就職は、正直難しいのではないかと思っていました。すぐに思い浮かぶのは、スーパーのレジ係や陳列作業、工場作業などですが、体力的に「厳しい」という声も聞きます。

「たくさん稼ぎたい」となると、保険や不動産の営業が王道でしょう。しかし、営業職は簡単ではありません。ノルマが厳しく、辞める人が多いのが実情です。

私を見て、楽しそうなので、FP資格を取得したいという人も多いのですが、FPは、独自の強みがないと稼げず、継続的に学ぶ意欲とガッツが必要です。また、士業を目指す人もいますが、士業も競争相手が多く、営業力やコミュニケーション能力が必要です。

では、業界的に、熟年層がいちばん求められる職業は何かというと、介護職ではないでしょうか。人の痛みがわかる熟年には最適の職です。ただ、介護職はキツイわりには給与が低いものです。

ところが家政婦紹介所に勤める知人は、「家政婦×介護の二刀流」で年収700万円です。長年の主婦業経験に加え介護の資格を取得したことで、自宅での介護を望む富裕層のクライアントを得ました。長年の主婦業は、じつは輝かしいキャリアだったのです。

熟年女性に必要なのは「アップデート」を続ける働き方

シニアとなった私が、同世代の女性と話すと違和感をもつことがあります。それは、昭和マインドのままで、時代の価値観をアップデートしていないからです。熟年離婚を考えていて、生活のために働くのなら、マインドを変える必要があると思います。

とくに昭和と令和の違いを3つ紹介します。

1つ目は「終身雇用から成果主義」になったことです。タイムカードを押しただけでは評価されません。私たちが若いころは、むしろ「出る釘は打たれる」という価値観で、頑張っていると非難されました。しかし、いまは違います。指示待ちではなく、1歩2歩先を読んで動き、クライアントや仲間に貢献をすることが当たり前になっています。

2つ目はリスキリング(学び直し)です。「わかりません」は通用せず、新しいツールやビジネス用語・クライアントの価値観などを、常にアップデートしなくてはなりません。

3つ目は会社組織がフラットになっています。幹部と部下、ベテランと若手が、ともに尊重し協働することが推奨されています。上司が年下なんて当たり前で、「未熟なくせに」「若い人に指示や注意を受けたくない」などといったマインドでは働けません。熟年女性の態度で多いのは「前はこうやっていました」「私は〇〇な人なので、できません」。

あるいはすぐに「教えてください」という人です。「わからないなら学んでこい」というのがリスキリングです。令和の仏の顔は一度まで。若い人は、同じことを何度も聞かれることを嫌うようです。

未知の世界へ足を踏み入れる怖さは、よくわかります。しかし、人生100年時代、働いて収入を得ないと暮らしを楽しむことはできません。私たちは、昭和・平成・令和と激動の時代を生きてきたのですから自信をもちましょう。

若い人を支え、ときにはイジられてあげるぐらいの度量をもてば、あなたは会社にとって必要な人になれるはずです。
 

Miwa Harmonic Office 代表
夫婦問題診断士協会代表理事
寺門 美和子

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