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「診察ミス」「病気の見逃し」を誘発するリスクも!?…不安を募らせる患者が〈ついやってしまいがちな行動〉とは【医師が解説】

「診察ミス」「病気の見逃し」を誘発するリスクも!?…不安を募らせる患者が〈ついやってしまいがちな行動〉とは【医師が解説】

体調が悪くなれば、だれもが心細く感じ、ときには「もしかして、大きな病気では…」と不安がつのるものです。しかし、不安な気持ちをそのまま医師にぶつけるようなことをしていると、肝心な「診察の精度」が下がってしまうかもしれません。適切な医療を受けるためのポイントを、医師が解説します。

患者が無意識のうちに医師の「話の腰を折る」と…

診察室は、医師と患者が協力して1つの作業を進める場所です。

医師が行うとしていることは、限られた時間の中で症状の原因を見極め、必要な検査を選択し、適切な治療方針を導き出すことです。つまり診察とは、言葉による正確な情報の共有、適切な診察、得られた結果の十分な検討、そして結論に基づく治療方針の決定と説明による共有という一連の流れで成り立っています。この過程は、高い集中力と互いの協力を必要とする、医師と患者の共同作業です。

しかし、この流れが思わぬところで途切れてしまうことがあります。そのひとつが、患者が無意識のうちに医師の「話の腰を折る」行為です。ここで言う「腰を折る」とは、単に会話を遮るだけでなく、医師が診断のために組み立てている思考や情報整理の過程を中断させてしまう言動を指します。そのような言動は医師の思考を妨げ、診療の精度や効率に影響を及ぼすことにつながります。

医師は、緊急度や重要度を考慮しつつ次の質問を準備している

診察中の質問は、思いつきで行われているわけではありません。たとえば耳の聞こえにくさを訴える患者に対して、医師は「いつからか」「片耳か両耳か」「耳鳴りや痛みの有無」「きっかけとなる出来事があったか」といったことを尋ねていきます。これらの質問は、疾患の絞り込みと診断のために体系的に順序立てられて行われます。

医師は患者の答えを聞きながら、同時に考えられる疾患の候補を並べ、緊急度や重要度を考慮しつつ次の質問を準備しています。この思考は連続的なものです。

しかし、その途中にまったく別の話題が挟まると、組み立てられた思考の流れが一時的に途切れてしまいます。それでも医師は患者の信頼を損なわないために耳を傾けようとしますが、そのたびに思考の再構築が必要となり、時間と集中力が削がれていきます。もちろん、そこから新しい情報が得られることもありますが、ほとんどの場合、重要な内容は本来の質問の流れの中で確認されます。

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