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「まんじゅうや」票は無効 くじ引き当選の神栖市長、茨城県選管が当選取り消しの異例裁決

「まんじゅうや」票は無効 くじ引き当選の神栖市長、茨城県選管が当選取り消しの異例裁決

候補者2人の得票が同数となり、くじ引きで当選者が決まった昨年11月の茨城県神栖(かみす)市長選をめぐり、茨城県選挙管理委員会は28日、新人の木内敏之氏の当選を無効とする裁決をした。くじ引きで決まった市長選で当選無効の判断が出るのは異例。

昨年11月9日に投開票された市長選では、新人で元市議会議長の木内敏之氏と、3期目を目指した現職の石田進氏の得票がともに1万6724票で並んだ。

公職選挙法95条2項の規定に基づき市選挙管理委員会がくじ引きを実施し、木内氏の初当選が決定。しかし、石田氏側はこれを不服として、当選人の告示の日から14日以内に市選管へ異議を申し出た。

「まんじゅうや」は有効か?が焦点に

裁決では、市選管が「木内氏の得票」と判断した票の有効性が焦点となった。

木内氏の実家は明治34年創業の和菓子屋「木内製菓」で、地元では知られた存在。それゆえか、「まんじゅうや」「おだんごさん」などと記載された票があったという。

投票用紙には正確に記載しなければいけないが…(広報かみす11月1日号より)

県選管はこれらの票について「『だんごさん』『まんじゅうや』が木内氏の通称として広く使用していると認めるに足りる証拠はない」として無効と判断。市選管の「木内氏当選」の決定を取り消した。

裁決を受け、記者会見した木内氏は「神栖市では私は『まんじゅう屋』で通っている。このような判断はとうてい納得できない」と話したという。

5時間に及ぶ再点検でも結果は変わらなかった…

問題の発端となったのは、投票総数3万3667票、有効投票総数3万3448票という選挙で起きた極めて異例の同票決着だった。

結果に納得のいかない石田氏側はすぐに異議を申し立てる。それを受け、市選管は昨年11月26日、神栖市民体育館で全票の再点検を実施した。

昨年11月の再集計でも結果は変わらなかったが…(11月26日 茨城県神栖市/弁護士JPニュース編集部)

当日は多数の報道陣が集結する物々しい雰囲気の中、約300人もの市民が駆け付け、開票のやり直しを見守った。

再点検では、精査が必要と思われる票は審査係へ回され、4人の係員らで判定、さらに問題がありそうなものは疑問票として選別された。この作業は開票時にも行われたが、「より念入りに」進められた。

特に命運を分けると目されたのは、219票あった無効票の再チェックだった。しかし、石田陣営が申し立ての中で指摘した、例えば「石田進進」といった票は、当初の開票時から有効票としてカウントされており、再点検においても判断は変わらなかった。

市選管の境政一委員長によると、開票時に選挙管理委員会がある程度の弾力を持って票の選別を行うことで、トラブルを最小限に抑える予防線を張っていたといえる。

最終的に、約5時間に及んだ再点検は、両者ともに1万6724票、無効票219票と、再点検前と全く同じ結果となった。開票時の所要時間(約2時間30分)の倍近い時間がかかった理由について、境委員長は「ひとつはより丁寧に作業を行ったこと。もうひとつは、人員を減らしたためです」と説明した。

再々点検を受け、「まんじゅうや」が無効に

市選管の再点検でも結果が変わらなかったため、石田氏側は県選管に当選無効を求める審査を申し立て、3月21日に両陣営立ち会いのもとで票の「再々点検」が行われ、今回の裁決に至った。

県選管の裁決内容は5月11日付で発行される県報に告示される予定。裁決に不服がある場合、木内氏は告示から30日以内に東京高裁に訴訟を提起することができる。

訴訟が提起されない場合は木内氏は失職し、くじ引きで敗れた石田氏の当選が決まる。なお、裁決か判決が確定するまで、木内氏は市長の職を失うことはない。

配信元: 弁護士JP

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