5月1日から、金融商品取引法(金商法)の改正が一部施行される。
主に公開買付規制および大量保有報告制度に関するものであり、市場の透明性と公正性を高めることを目的としている。
公開買付け制度の見直し:「30%ルール」の導入
今回の改正で大きく変更される点の一つが、公開買付け制度(TOB)だ。
現行法では、市場外取引や立会外取引によって議決権割合が3分の1超となる場合に公開買付けが必要とされている。これは、株主間の平等や取引の公正性を確保する観点からの規制である。
改正法ではこの基準が見直され、公開買付けが必要となる議決権割合が30%超に引き下げられる(金商法27条の2)。
この新たな「30%ルール」は市場内取引を含め、一定の取得方法にも適用されることとなり、公開買付けが必要となる範囲が拡大する。これは、株主総会で実際に議決権が行使される割合等を考慮し、おおむね30%を超えれば企業支配権に重大な影響を与えるとの考慮によるものだ。
また、公開買付届出書と公開買付説明書の記載関係も整理・簡素化され、実務上の負担軽減に配慮した見直しが行われる(27条の9)。
大量保有報告制度も見直し
株式の保有状況の透明性を確保するための大量保有報告制度も、実態に合わせて見直される。
従来、機関投資家などが投資先企業に対して行うエンゲージメント活動について、法律上の「共同保有者」に当たること、また「重要提案行為等」に該当することが懸念されていた。
これらに該当すると、報告義務が複雑化したり、報告の特例が使いにくくなったりするなど、実務上の支障が生じるおそれがあった。
そこで、共同保有者の範囲については、投資家間の協働のうち、経営に重要な影響を与えることを目的としない一定の場合には、保有割合の合算対象から外れることが明確化された(27条の23)。
また、どのような行為が「重要提案行為等」に当たるかについても、法令上の要件が整理され、判断基準がより明確になる。
さらに、今回の改正では大量保有報告制度の報告対象も見直される。現金決済型デリバティブ取引のうち一定のものが報告対象に加えられ、経済的な利害関係の実態をより適切に反映させる仕組みとなる(27条の23)。
これにより、保有状況の開示がより実態に即したものとなり、市場の透明性が一層高まることが期待される。

