◆主犯格は、父親に「泣きながら土下座」
それから1カ月ほどが過ぎたころ。前田さんのもとに、県警の先輩と野菜を調達してくれたバーベキューメンバーから連絡が来た。「タレコミ以来、自治会と連携を取り、見回りを強化してくれていたらしいんです。そこになにも知らないAとヤツの友達連中が来て、不法投棄をした瞬間をばっちり押さえられたようでした。ちなみに、Aの父親は地元の建設会社を経営していて、行政ともベッタリの関係です。なのですぐに不法投棄の話は漏れ、Aはカンカンに怒った父親に会社をクビにすると宣言されたとか。
結局、父親とともに自治会と警察に謝りに行ったみたいです。一番怒っていた父親には、泣きながら土下座して、ようやく許してもらえたそうで……(笑)。はなから僕の忠告を聞いておけばよかっただけなのに。そんなこんなで地元ではちょっとした騒動になったようで、それを聞きつけた野菜の子からの連絡には、『獣害は他人事じゃないのに、自分の考えが甘かった』などと、反省と謝罪が綴られていました」
◆無知や無関心以上に恐ろしいのは…
無知や無関心が、判断を誤らせてしまうことは少なくない。だが、前田さんは無知や無関心以上にもっと恐ろしいものがあると語る。「冷静に考えれば、どんな場所でも不法投棄が許されているわけがないとわかるはず。それなのに、場の空気に飲まれてしまって、一時は自分もゴミを放置してしまったのです。
野菜の子も同じですよね。ご家族の苦労を知っているのに、トラブルが大きくなるまで同根であることに気がつけず、『いつもみんながやってること』と、問題視できなかった。
主犯格であるA含め、おおごとになってもなお連絡がない4人とは、もう縁を切るつもりです。反省すらできないような連中と仲良くしていた自分が恥ずかしいし、またいつ巻き込み事故に遭うかもわからないですから」
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「知らなかったから」では済まないことがある。「みんなやってるから」問題ないとは限らない。
特に火おこしや川遊びは、危険が伴う活動だ。事前に、自らと周辺地域の人々を守るためのルールをしっかり学び、実践せねばならない。それを怠ったまま楽しいひとときは過ごせないことを、ゆめゆめお忘れなきように。
<TEXT/高橋マナブ>
【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

