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【50代のこよみ養生 Vol.46】長尺映画も安心!芸術の秋を楽しむための頻尿ケア

【50代のこよみ養生 Vol.46】長尺映画も安心!芸術の秋を楽しむための頻尿ケア

10月8日~22日は、二十四節気(にじゅうしせっき)の「寒露(かんろ)」。空気が澄み渡り、空は抜けるような青さで、草花も色鮮やかに映える季節となりました。見るもの聞くものが冴え冴えと美しく感じられる、まさに“芸術の秋”。映画や舞台などの芸術鑑賞を堪能したい気分ですね。

けれど、芸術鑑賞で気がかりなのが頻尿問題。特に最近の映画は「国宝」をはじめ、3時間前後の長尺作品が話題ですが、SNSなどでは「観たいけれどトイレが気になるから躊躇してしまう」というコメントを多く見かけます。特に更年期世代にとって、頻尿は深刻なテーマですよね。

そもそもなぜ、更年期になると頻尿が気になってくるのでしょうか。その原因と対処法を、東洋医学の視点で解説します。

女性の頻尿・夜間頻尿は“7の倍数”の年齢で現れる

「女性は7の倍数の年齢で体が変化する」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは東洋医学の考え方で、五臓の「腎(じん)」の力が女性の場合は7年周期で変化するという理論にもとづくもの(ちなみに男性は8年周期)。具体的には次のように変化すると考えられています。

・7歳⋯⋯歯が入れ替わり、髪がよく伸びるようになる
・14歳⋯⋯月経がはじまる(第二次性徴)
・21歳⋯⋯発育が頂点に達する
・28歳⋯⋯筋肉や骨が丈夫になり、体力が最も充実する
・35歳⋯⋯顔の皮膚のつやが少なくなり、少しずつ脱毛しはじめる
・42歳⋯⋯顔にしわが増え、白髪が生えはじめる
・49歳⋯⋯月経が終わる

こうして見ると、腎の働きとは西洋医学的な腎臓の働きとは少し概念が異なっていて、性機能や老化現象と直結していることがわかりますね。この腎の力は28歳頃にピークを迎えて、その後は徐々に減少していき、49歳前後になるとその働きの低下が目立つようになる、という変化をたどっていきます。

そして腎の働きは陰部に通じていることから、排尿のコントロールにも関わっています。そのため排尿機能も7年周期で徐々に変化し、49歳前後に頻尿や夜間頻尿(夜間のトイレが多くなること)が現れやすくなるのです。

更年期の頻尿対策は「腎陽(じんよう)」を守ることが基本

腎の力には2種類あります。ひとつは体全体の潤いのもととなる「腎陰(じんいん)」、もうひとつは体を温める熱源となる「腎陽(じんよう)」。腎にも陰と陽があるんですね。
このうち更年期の頻尿・夜間頻尿で主な原因となるのは腎陽の衰え。腎の働きが低下する更年期は、温める力である腎陽も衰えて尿を留める力が低下し、頻尿や夜間頻尿が現れやすくなります(ただし人によっては腎陰の不足などほかの要因が関係する場合もあり)。

加えて、秋分を過ぎると冷えやすくなるため、年代を問わず腎陽の働きが低下傾向に。更年期世代の秋や冬は二重の意味で腎陽が衰えて、頻尿の傾向が強くなるわけです。

そこで、頻尿・夜間頻尿対策の基本となるのは腎陽を守ること。腎陽は腰の内側に蓄えられている熱源なので、腰やおなかが冷えると腎陽も冷えてしまいます。まずは腹巻きカイロなどで、腰まわりやおなかを十分に温めることを意識してください。さらに衣類対策として、腰まわりの保温性が高いハイウエストのボトムスを着用し、下半身の冷えを防ぐために厚手のソックスを履くといいでしょう。

また、トイレ直後は排尿によって一時的に体温が下がり、かつ衣服を下ろしているために腰や下腹部が外気にさらされて冷えやすくなります。この冷えが尿意を促して頻尿の一因となる場合があるので、排尿直後に下腹部(おへそより少し下の丹田あたり)にカイロを貼って温めるのも効果的。低温やけどをしないように必ず衣類の上から貼って、10~15分ほど温めたらカイロを外してください。

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