日本ロレアル 万博会場で授与式を開催
授与式では、日本ロレアル株式会社の代表取締役社長、ジャン‐ピエール・シャリトン氏が「ロレアルは140か国以上で20年以上にわたり毎年この表彰を行うことで、各国の正しい才能を発掘している」と力強く取り組みや受賞者を称えた。

今年受賞したのは、物質科学分野より木野量子氏、髙田咲良氏、仲里佑利奈氏、生命科学分野より上野山怜子氏、沖田ひかり氏、吉本愛梨氏の6人。当日は本賞の設立から携わった東京大学名誉教授の川合眞紀氏から「一人ずつが自分らしくいるための服装をしよう」という提案があり、各々が選んだ自由なドレスコードで臨み、「科学者は人と違うことが信条で生きているから、楽しくて仕方がない職業だ」ということを表現した。
日本の女性科学者から未来へのメッセージ
トークセッションでは川合氏の他、大阪大学の原田慶恵氏、九州大学大学院理学研究員物理学部門准教授博士の高峰愛子氏、今年の受賞者を代表して沖田氏が登壇。「20年の軌跡と次世代へのメッセージ」を軸に、未来に向けたセッションを行った。
今回の審査を担当した川合氏は「この賞は若い女性研究者の憧れの賞になりつつあるが、20年前はどの世代に、どのような賞を差し上げるのが良いのかということから手探りで進めてきた」と当時を振り返った。エンカレッジの仕方が多様にできるという理由から奨学金を授与する方法を選んだという。 日本ではサイエンス分野での女性研究者の比率が低いことに触れながら、本賞の第1回受賞者(2006年)である高峰氏は取り巻く環境の変化について自らの経験を語った。

「昔は女性研究者が少なかったが、研究が楽しかったからここまで続けることができた。当時の指導教官からの勧めを受けてこの賞にエントリーしたが、受賞することでこのまま研究を続けていいという覚悟と周りからの目も変わった」と当時を振り返った。

今年の受賞者を代表して登壇した沖田氏は、他の登壇者を前に、女性研究者が近くにいる環境の大切さを指摘。これから人生を決める決断が増える若者に対して、「人生の中で上手くいかないことがあっても、自分で選んだ道であれば自分で責任を取って前向きに頑張ることができる。分岐点があったときに、誰のせいにもしない選択肢を選んでほしい」とメッセージを送った。
text: Haruka Watanabe
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