
体力が減ったり、家族構成が変わったり、今までと違う自分を感じたら― 。
そんな自分に合う「らしさ」を大切にして、家と暮らしを考えてみませんか?
同世代のさまざまな暮らしぶりを紹介します。
今回お宅を拝見したのは・・・
セラピスト/植物療法家
「マヒナファーマシー」店主
中山晶子さん
東京・下北沢でセルフケアアイテムを扱う店「マヒナファーマシー」を営む。フラワーエッセンスやシュタイナー人智学など、さまざまな学びの場も主宰。https://www.mahinapharmacy.com/
心に余白をつくるには
生活空間にもスペースが必要。
これまでの「もの」を手放しこれからの「心地良さ」を優先

もともとは、以前住んでいた家をリノベーションする予定だったという中山さん。
しかし生活圏内で売りに出ていたこの家を、内見時に夫婦共にひと目ぼれ。トントン拍子で引っ越しする流れになりました。
中庭を囲むコの字型の建物で、プライベート感と解放感が共存する絶妙なバランスに惹かれたそう。
「コロナ禍以降、どことなく生活に息苦しさを感じていて、もっと身軽に、軽やかに暮らしたいと考えていたんです。ここは中庭には土があり、どの部屋からも空が眺められる。都内の住宅地でありながら、自然の気配を感じられるのが魅力でした」
住み替えは、生活の大リセットでした。夫婦で「店を開けるくらい持っていた」という本やCD類、それから洋服に家具など、大量のものを手放しました。
新居に持ってきた家具は、ターンテーブルを置いたアンティークのチェストと、座面を貼り替えながら愛用してきたダイニングの椅子くらい。
「これまで」より「今、ここから」のための最小限を。引っ越しより「手放し作業」のほうが大変だったとふり返ります。
「余白ができれば、新しいエネルギーが注がれます。これからの人生を、気持ちよく進むための準備ができたように思います」
五感を楽しませるものを暮らしの風景のなかへ
1日のうち多くの時間を過ごすリビング。
朝起きてまずここで白湯を飲み、自らブレンドした薫香(ハーブや樹脂、花などを合わせた香りを楽しむ焚きもの)をくゆらせ、心を整える。
前の住まいから持ち込んだ数少ないもののひとつがこのチェスト。
「新居では、朝からレコードを聴けるといいね」と、「トランスペアレント」のターンテーブルをのせて。
家を選ぶ決め手は光を身近に感じられること
玄関から眺めた1階廊下。左手に2 階へ上がる階段、右手には中庭に面した窓が。
コンクリート造の建物に、木目の温かみを随所に取り入れている
リビングダイニングのらせん階段を上った先にあるアトリエルーム。リノベで窓に障子を設置。
ソファやイージーチェアは「ハーマン・ミラー」、テーブルは「テクタ」。
「余白を確保する」を意識したキッチン
キッチンはすべて一新。光が入る明るいコの字型で、テラコッタの床にこだわった。
窓手前に吊りの飾り棚を設置し、お気に入りの陶器などをディスプレイ。
目にうるさい家電類などはパントリーやカウンターより下に置くことで、リビングダイニングとインテリア的に統一感を。
日々のセルフケアに使うチンキやフラワーエッセンスは、すぐ手が届く位置に。
photograph: Aya Sunahara text: Noriko Tanaka
大人のおしゃれ手帖2026年5月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

