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栃木強盗殺人“指示役夫婦”、有罪なら法定刑は「死刑か無期拘禁刑」のみ 「殺せと指示していない」は通用しない…実行役より量刑が重くなる可能性も

栃木強盗殺人“指示役夫婦”、有罪なら法定刑は「死刑か無期拘禁刑」のみ 「殺せと指示していない」は通用しない…実行役より量刑が重くなる可能性も

14日に栃木県河内(かわち)郡上三川(かみのかわ)町の民家で女性1人が殺害され、少年4人が「実行役」として強盗殺人の疑いで逮捕された事件で、栃木県警は17日、横浜市港北区の20代の夫婦を強盗殺人容疑で逮捕した。

同県警はこの夫婦が栃木県内まで車で来て、実行役の少年らに犯行を指示していたとみており、さらに上位の指示役も存在する「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による事件の疑いがあるとみて捜査を継続している。

強盗行為を実行していない「指示役」も共同正犯になる理由

指示役の夫婦の逮捕容疑は強盗殺人罪(刑法241条後段)。同罪は「強盗が人を死亡させたとき」に成立し、法定刑は死刑または無期拘禁刑しかないという重罪である。

逮捕容疑が事実であれば、指示役の夫婦は直接犯罪を実行していなくても、共謀共同正犯の理論によって、実行役と同じ罪責を負う。

共謀共同正犯とは、犯罪行為を直接共同していなくても、共謀を行ったことを通じ主体的に犯罪を実行したと評価できる者を、共同正犯(刑法60条)として実行者と同じ罪で処罰することをいう。

犯行について相当程度具体的な指示を行い主導的な立場にあった者は、その指示がなければ犯罪の結果が生じなかったということで、考えようによっては実行役よりも重要な役割を果たしている。したがって、共同正犯に処される。

「殺せと指示していない」は通用しない

なお、今回は刃物で刺したことによる失血死だが、指示役が「殺せとは指示していない」「殺すとは思っていなかった」などと殺意を否定した場合はどうなるか。

強盗殺人罪は「強盗が人を死亡させたとき」とのみ規定しており、被害者を殺害する意思(故意)の有無を問わない。強盗の故意しかなかったとしても、強盗の機会に人を死亡させれば成立する。

なぜなら、同罪は、強盗という行為自体がきわめて危険であり、強盗の機会に人の死の結果が伴う危険性が大きいことから、人の死についての故意の有無を問わず重く処罰する趣旨だからである。

したがって、指示役は、死の結果についての故意の有無を問わず強盗殺人罪(強盗致死罪)の責任を負う。

実行役より重い量刑になる場合も

強盗殺人罪の量刑は死刑または無期拘禁刑というきわめて重いものである。

量刑を判断する際には、個々の関与者の結果発生への寄与度の大小も考慮される。その結果、実行役より重い量刑が科され得る。

たとえば、実行役が無期拘禁刑に処せられる場合でも、指示役が死刑に処せられる可能性も否定できない。

配信元: 弁護士JP

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