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牛丼チェーン三国志、現状での勝者は? “ファミレス化”を進める吉野家、「牛丼以外」がヒットする松屋、信頼回復の途上にあるすき家

牛丼チェーン三国志、現状での勝者は? “ファミレス化”を進める吉野家、「牛丼以外」がヒットする松屋、信頼回復の途上にあるすき家

◆「牛丼以外」のメニューがヒットする松屋

 新メニューの開発に余念がないのが松屋。「外交メニュー」と称して世界の料理を提供しています。7月はスリランカの「デビルチキン」、8月はベトナムの「コムタム風ポークライス」、9月はジャマイカの「ジャークチキン」でした。

 どの料理も日本人にはあまり馴染みがなく、他の飲食店でも容易に食べられるものではありません。これまで、ジョージアの「シュクメルリ鍋定食」やリトアニア大使直伝「リトアニア風ホワイトソースハンバーグ」などの珍しい料理を多数提供しています。

 一方で、日本人に好まれるアレンジがされており、ご飯やみそ汁に合うような工夫がなされています。

 松屋はコロナ禍での苦戦が目立った会社でした。しかし、2023年3月期からは急回復。今期は14%程度の売上増を見込んでいますが、計画通りに着地をすると4期連続の2桁増収。好業績の要因の一つが、牛丼以外のメニューのヒットです。

◆価格を高めに設定することができるから…

 松屋の牛丼にはみそ汁がついてきます。このように、競合と比べてコストパフォーマンスが高いというのが最大のセールスポイントでした。LINEは牛丼チェーンの意識調査を行なっていますが、松屋を好きな理由で「コストパフォーマンスがいい」との回答は22.9%を占めています(「一番好きな牛丼のチェーン店(2025年版)」)。

 他の2ブランドでトップ5にこの理由が入っているものはありません。

 コストパフォーマンスが高いとの評価は、インフレ下では弱点になります。値上げに弱いためです。

 松屋がメニュー開発に力を入れているのは、このイメージを払拭するためでしょう。料理がおいしい、豊富だ、他では食べられないなどの評価と入れ替えることに成功すれば、新たな戦い方をすることができます。

 牛丼以外のメニューは価格を高めに設定することができ、メニュー開発の強化は収益性を向上させることができるのです。


配信元: 日刊SPA!

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