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牛丼チェーン三国志、現状での勝者は? “ファミレス化”を進める吉野家、「牛丼以外」がヒットする松屋、信頼回復の途上にあるすき家

牛丼チェーン三国志、現状での勝者は? “ファミレス化”を進める吉野家、「牛丼以外」がヒットする松屋、信頼回復の途上にあるすき家

◆信頼回復の途上にあるすき家

 足元で苦戦を強いられているのがすき家。2025年3月から8月まで既存店の客数はすべて前年を下回りました。2025年1月にネズミ、3月にゴキブリの混入が発覚しています。その影響が出ているのは間違いないでしょう。

 すき家は9月4日から牛丼の値下げを実施するという、まさかの強硬手段に出ました。並盛は450円で提供しています。松屋は460円、吉野家は498円。松屋はみそ汁がついてはいるものの、すき家の並盛は3大チェーンで最安値となりました。いち早く客数を回復させたいという強い意気込みが感じられます。

 先ほどのLINEの調査において、すき家は好きなブランドで1位を獲得しています。性別、世代を問わず幅広く人気があることが特徴。好きだという理由を見れば、人気が高いのも納得ができます。「立地がいい」(28.9%)、「牛丼の種類が充実」(28.5%)、「肉がおいしい」(20.3%)というもの。

 家や職場、学校などから近くてメニューが豊富であり、おいしいという評価は、日常食を提供する繁盛店に必須の要素。すき家は長い時間をかけてその評価を獲得したのです。

 特にポイントとなるのが、「安い」や「コストパフォーマンスが高い」などという評価が出ていないこと。食のインフラとしての地位が確立されており、既存の牛丼店のイメージから抜け出た印象があります。長年、牛丼チェーンの王者として君臨している理由はここにあるでしょう。

 従って、すき家は異物混入からの信頼回復を経て、客数が回復すれば再び店舗網拡大に向けた準備を進めることができるわけです。

 仮に客数の回復に遅れるようなことがあれば、勢力図が大きく塗り替わることになるでしょう。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
配信元: 日刊SPA!

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